マルティン・ルター(2)

文字数 873文字

マルティン・ルターについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
エアフルトの聖アウグスチノ修道会に入ったルターは修道生活にもすぐ慣れ、祈りと研究の日々を過ごしていた。この修道士時代に、ルターは、聖書を深く読むようになり、ウィリアム・オッカムの思想に触れた。
どんなに聖書を熱心に読んだとしても、ルターのように反ユダヤ主義の人間が神やキリストについて正しく理解していたとは思えません。
フェリペよ、結論を急いではいけない。まずはルターの生涯について知ることから始めよう。
1506年には司祭の叙階を受けたが、初ミサを立てる中で、ルターは弱く小さな人間である自分がミサを通じて巨大な神の前に直接立っていることに恐れすら覚えた。当時からルターは、どれだけ熱心に修道生活を送り祈りを捧げていても、心の平安が得られないと感じていた。長上であり、聴罪司祭であったヨハン・フォン・シュタウピッツの励ましも、ルターの恐れを取り除くことはできなかった。
一生恐れを感じていればよかったのです。そうすれば歴史は変わり、ユダヤ人があれほど酷い迫害を受けることもなかったと思います。
エアフルトで教えていたルターだったが、シュタウピッツの勧めもあって、できたばかりであったヴィッテンベルク大学に移って哲学と神学の講座を受け持つことになった。彼は、ここでアリストテレスの手法を適用したスコラ学的なアプローチの限界を感じ、神を理性で捉えることは困難であるという理解に達した。その後、再びエアフルト大学で教えたり、修道会の使命を帯びてローマへ旅行するなどしたが、最終的にヴィッテンベルクに戻り、そこで神学の博士号を取得して、聖書注解の講座を受け持った。
僕はアリストテレスの考えが全て正しいとは思いませんが、理性に注目しているのはとても重要なことだと思います。理性や良心は宗教や国や時代の違いを越えて神が全ての人間に与えてくれたものです。理性や良心は人間が暴走して残酷にならないようにブレーキをかけてくれます。理性や良心を失ったら人間は何も考えなくなり、残虐になってしまうのです・
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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