ティコ・ブラーエ(26)

文字数 1,000文字

ティコ・ブラーエについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
そしてティコはコペルニクス派の天文学者クリストフ・ロスマンに宛てた文章で次のようにも書いている。

「幾何学的にこれらのことを演繹するとよろしいでしょう。その帰着によって、この(地球が動いているという)仮定にどれほど多くの不条理が伴っているかあなたにはわかるでしょう(他の人々は言うまでもありません)」

難しい話です。
コペルニクス派はティコの幾何学的批判に対して、巨大な遠い星々という考えは不合理に感じられるかもしれないが、そうではない。創造主が望んだのなら、主は被造物をそのように大きく作ることができるのだという宗教的な反応を示した。
今度は宗教の話で答えているのですか?
ロスマンはこのティコの意見に次のように答えた。

「(平均的な星が地球の公転軌道)全体と同じ大きさを持つことの何がそこまで不合理なのでしょうか?これの何が主のご意思に反しているというのでしょうか。あるいは主の本性によってそれは不可能だというのでしょうか。それは無限の自然によって許容されないのでしょうか?あなたがこのことから何等かの不条理を推論したいのであれば、それはあなたによって完全に証明されなければなりません。第一印象で低俗であるように見えるこれらの見解は簡単に不合理と咎めることはできません。実際、主の叡智と尊厳は皆が理解するよりも遥かに大きなものだからです。宇宙の広大さ、星々の巨大さをあなたの思案した通りにするのが良いでしょうーそれはなお、無限の創造主に見合ったものではないでしょう。王が偉大であるほど、宮殿もその尊厳に相応しい大きさと偉大さになります。あなたはどのくらい偉大な宮殿が神に相応しいとお考えですか?

コペルニクス派は地動説で今までの考え方を大きく覆していますが、それでもキリスト教の信仰心は変わらなかったようです。
宗教はまた、ティコの地球中心体系においてもまた役割を果たしたー彼は制止している地球を描く中で聖書の権威を引用した。彼は聖書の議論を単独で使用することは滅多になく(彼にとってそれらは地球の運動についての考えにおいてあくまで二次的な意義のものであった)、時と共に彼は科学的議論に集中するようになった。とはいえ、彼は聖書の議論を真剣に受け止めた。
この時代の学者は科学的な議論をしていても、考えの根底には篤い信仰心があったのだと思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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