カスティーリャ王フアン1世

文字数 1,447文字

今日はエンリケ2世の長男でカスティーリャ王になったフアン1世について話題にします。作品集には下の画像から入ってください。
カスティーリャ王フアン1世の肖像画です。
フアン1世(1358ー1390)は、カスティーリャ王国トラスタマラ朝の国王(在位1379ー1390)エンリケ2世(恩寵王)と王妃ファナ・マヌエルの子。
フアン1世が生まれた時エンリケはまだ王になってなく、出生場所はアラゴン王国、エピラとなっています。
アラゴン王国で生まれているならば、私や父上と知り合いだった可能性が高いですね。
1375年、アラゴン王ペドロ4世の王女レオノールと最初の結婚をした。カスティーリャとレオンの王位を継承したエンリケ3世、母方からアラゴンとシチリア王位を継承したフェルナンド1世は、レオノールとの間の子である。
この時はもうエンリケ2世がカスティーリャ王として即位していて、フアン1世は17歳、レオノールも同じ17歳です。
今から思えばこの結婚が大きな間違いでした。
1382年にレオノールが死去すると、同年のうちにポルトガル王フェルナンド1世の王女ベアトリスと再婚した。
王妃が亡くなってすぐに再婚、しかも相手がポルトガル王女とは随分露骨な政略結婚ですね。この時はもうフアン1世はカスティーリャ王になっていたから、自分の意志で選んでいると思います。
私と同じフアン1世という名前ですが、カスティーリャ王フアン1世はなんか嫌なタイプですね。私とは性格が全然違います。
ポルトガルの王女ベアトリスはポルトガル王フェルナンド1世と王妃レオノール・テレス・デ・メネセスの長女として生まれました。王妃レオノール・テレスは平民出身で人妻であったのをフェルナンド1世が横恋慕して強引に離婚させて結婚したようです。2人の間の子はベアトリス王女以外は夭逝してベアトリスが後継者となっていました。
ポルトガルもこの頃ドロドロしていたのですね。
翌1382年に、フェルナンド1世が死去すると、その娘婿である所以を理由にしてポルトガルに侵攻し、その領土支配と王位継承を目論んだ。しかし1385年、アルジェバロータの戦いでフェルナンド1世の庶弟に当たるジョアン1世(大王)の前に大敗を喫してしまった。
かなり強気というか、王位を前にして目が眩んでいますね。
このように連年のポルトガル侵攻を行った結果、カスティーリャ王国の財政は多大な軍費で破綻し、軍も弱体化して王国の存亡も危ぶまれた。
無理に王位を狙って王国の財政を破綻させるなんて、カスティーリャ王フアン1世は本当に愚かです。王妃とその寵臣に宮廷を牛耳られ、狩りに夢中になって王国の財政を傾かせた私が言えることではないですけど・・・
さらにかって父エンリケ2世と王位を争ったペドロ1世(残虐王)の残党らによるクーデター計画まで発覚することとなる。これに対してフアン1世はペドロ1世の孫娘カタリナ(ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの娘キャサリン)を自身の王太子エンリケと結婚させることや、フランスの支援を得ることで持ち直した。
こういうところは本当に抜け目ないというか狡猾ですね。
1390年、32歳の若さで落馬事故により死去した。
結局同じ名前のカスティーリャ王フアン1世は私より後から生まれて先に死んでいます。国の財政を傾かせているところも同じです。ただ違うのは彼の2人の子はカスティーリャとアラゴンの王になっていることです。私は後継者に恵まれず、バルセロナ朝の血は弟のマルティンで途絶えてしまいました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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