ヒューマニズムとルネサンス(4)

文字数 2,438文字

スペイン語の本で読んだヒューマニズムとルネサンスの部分が宗教改革についてもわかりやすく書いてあったのでここでも紹介します。作品集は下の写真から入ってください。
Durante la Edad Media, los obispos se comportaban frecuentemente como señores feudales.
中世では、聖職者はしばしば封建領主と似たような行動をした。
Recibían donaciones de tierras, aumentado así sus dominios, a cambio de promesas de rezar por las almas de los difuntos, garantizando con indulgencias la salvación de los horrores del infierno.
地獄に落とされる恐怖から救いを約束する免罪符を使い、死者の魂に祈ることを約束して、土地の寄付を受けて支配力を広げていた。
La Iglesia de Roma contaba con una parte de la jerarquía corrupta y con Papas, más preocupados por el poder terrenal que por la espiritualidad.
ローマカトリック教会では上位聖職者や教皇が腐敗し、精神性を高めるよりも世俗のことについて心配するようになった。
En este estado de cosas, el 31 de octubre de 1517 Martín Lutero promulga en la iglesia de Wittemberg las tesis en contra del comercio de indulgencias, iniciándose así un proceso que culminaría con la división de la Iglesia.
このような状況の中、1517年の10月31日にマルティン・ルターがウィッテンベルグの教会で免罪符の協定に反対して95ヵ条の意見書を公表し、教会の分裂が始まってそれは頂点に達した。
Por otros motivos, pero también con la idea de independizarse de las ingerencias de la Iglesia de Roma en las decisiones políticas, en 1534, EnriqueⅧ de Inglaterra se auto proclamó máxima autoridad de la Iglesia Nacional.
目的は違うが、同じようにローマカトリックの政治的影響から独立しようとして、1534年にイギリスのヘンリー8世は国王を首長とするイギリス国教会を定めて公表した。
僕の生まれた年は1518年なので、ルターの宗教改革の1年後です。1534年は16歳の時なので、小説ではまだその年齢になっていません。それから関係ないけどルターの名前は僕の弟と同じです。
私の弟もマルティンという名前でした。
私の生きた13世紀にも聖職者の腐敗はあった。特にシチリアでは世俗と近い場所に修道院を作ったから、金や権力を蓄えようとする者はいくらでもいた。
ニコラさんはそういう修道士を片っ端から告発していたから、上の人には随分睨まれていました。
聖職者や修道士の腐敗は余の時代には信じられないことだ。父上サンチョ・ラミレスがローマに行ってそのやり方を学び、アラゴンにはたくさんの教会や修道院が作られた。王侯貴族も聖職者も庶民も、皆篤い信仰心を持っていた。
余も信仰心の篤さなら他のアラゴン王に負けない。だが南フランスでの争いの時、カタリ派に味方をしたとして教皇に異端にされてしまったことは納得できない。
余の父上は教皇と対立した。そして余は教皇にそそのかされて反乱を起こしてしまった。キリスト教の信仰心は変わらなくても教皇に対しては深い恨みがある。
私も信仰心は生涯揺らぐことはなかった。だが、キリスト教徒の残虐行為には疑問を抱いた。十字軍でキリスト教徒は繰り返し異教徒を虐殺している。
ルターが腐敗したカトリック教会を批判したのは間違ってはいないと思います。でもその結果、特にスペインの異端審問はとても厳しいものになりました。僕たちユダヤ人は改宗していても何かの理由で殺されるかもしれない、結局僕の父と弟はイタリア、僕と養父母はフランスへ行きました。
イギリスの国教会はルターやカルヴァンの宗教改革とは背景が全く違いました。イギリス国教会ができた大きな原因は国王の離婚問題でした。
余の兄上アルフォンソ1世はカスティーリャの女王ウラカと結婚したが、5年で離婚しているし、余もまた正式に離婚したというわけではないが、娘が生まれた後は王妃はフランスに帰った。
ヘンリー8世の最初の王妃はスペイン王女キャサリンでした。彼女は8歳も年上で生まれた子はメアリー以外は育たなかった、跡継ぎの男の子が欲しいと思ったヘンリー8世は侍女のアン・ブーリンに目をつけました。
王が侍女を愛人にするのは珍しいことではない。
普通はそうですが、ヘンリー8世は跡継ぎを望み、王妃と離婚して正式にアン・ブーリンと結婚するため、ついにカトリック教会を離れてイギリス国教会を作ってしまいました。
随分強引だなあ。
ヘンリー8世とアン・ブーリンは正式に結婚しましたが、生まれたのは女の子で後のエリザベス女王です。期待した跡継ぎの男の子が生まれなかったということで、アン・ブーリンはでっち上げの罪をきせられて処刑され、ヘンリー8世は3番目の王妃と結婚します。
なんか酷い話ですね。
長くなったので、これで終わりにします。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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