オンフロワ4世・ド・トロン(5)

文字数 1,141文字

オンフロワ4世・ド・トロンについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
シビーユの母方の叔父ジョスラン3世・ド・クルトネーは、摂政となったトリポリ伯レーモン3世を説得し、国内の貴族をティベリウスに集めて会議を行うためにエルサレムを離れさせた。そして摂政がエルサレムを離れたのを見計らって、ジョスラン3世はシビーユとギー・ド・リュジニャンをエルサレムに呼び戻した。裏切られたことに気付いたレーモン3世は、すぐにナーブルスで高等法院を招集した。オンフロワ4世を含むほぼすべてのエルサレム貴族はナーブルスに向かったが、ルノー・ド・シャティヨンだけはエルサレムに赴いた。レーモン3世についた貴族たちは、エルサレムに使者を送ってシビーユとギー・ド・リュジニャンに翻意を促し、ボードゥアン5世没後の問題を高等法院に任せるように求めた。しかしシビーユはこれを無視して、エルサレム総大司教ヘラクリウスから戴冠を受けてエルサレム女王となり、夫の頭にも王冠をかぶせた。程なくして、レーモン3世の発案により、ナーブルスの貴族たちはイザベルとオンフロワ4世をシビーユ夫妻に対する対立王に立てることにした。
ボードゥアン4世の死後、エルサレムの王位継承がこんなにも複雑なことになっていたことを知って驚きました。シビーユと結婚したギー・ド・リュジニャンがしっかりしていればこんなにややっこしいことにはならなかったと思います。
レーモン3世らはエルサレムへの進軍を主張したが、当のオンフロワ4世はエルサレム王位を欲しがらなかった。彼は夜中に密かにナーブルスを離れて、シビーユに面会すべくエルサレムへ赴いた。当初シビーユは彼を拒絶したが、彼の意図を知ると、彼をギー・ド・リュジニャンのもとに連れて行った。オンフロワ4世はギー・ド・リュジニャンに忠誠を誓い、自らとイザベルに戴冠するという陰謀に終止符を打った。これを受けてレーモン3世とボードゥアン・ディブランを除くすべての貴族たちが急いでエルサレムに戻り、ギー・ド・リュジニャンに臣従した。ギー・ド・リュジニャンはかつて1180年にオンフロワ4世が放棄したトロンとChastel Neufを1186年にジョスラン3世に与えた上で、それをオンフロワ4世に返還し、今のオンフロワ4世の所領と交換するように指示した。
せっかく王になれるチャンスなのに、それを辞退するとは情けない奴だ。
僕はそうは思いません。オンフロワ4世はサラーフッディーンの奇襲を受けて全滅に近い負け方をして、さらに結婚式の時にケラク城を襲撃されています。サラーフッディーンの恐ろしさを知っているからこそ、内部分裂している場合じゃないと考え、自分が身を引いてエルサレム王国を守ったように思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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