血液の肺循環説(2)

文字数 2,013文字

昨日の続きで、ミゲル・セルベートの生まれた家、カサ・ナタルにあったパネルについてです。作品集は下の写真から入ってください。
"Por inspiración de Dios a través de la boca y los oídos hasta el corazón y cerebro de Adán y de sus hijos, el aura celestial del espíritu, la chispita de la idea, quedó esencialmente unida con la materia de la sangre espiritualizada, y así fue generada el alma."
神はアダムとその子孫に口と耳を通して心臓と脳にまでインスピレーションを与え、スピリットからなる聖なるオーラにはイデアが入り、物質としての血液の中にその本質が残り、そこからアルマが生まれた。
"Lo mismo que Dios hace roja la sangre por medio del aire, así Cristo pone ensendido al Espiritu Santo."
同じように神は大気と混ざり合った血液を赤く染め、キリストも聖霊に加えている。
すみません、この文章は意味がよくわからないので解説できません。
修道士にとっては当たり前のことで、よくわかるのだが・・・
それから、血液の肺循環説について、興味深い内容が書いてありましたので、ここで紹介します。
Hoy sabemos desde 1924, que a mediados del siglo ⅩⅢ, Ibn AnNafis describió por primera vez la circulación pulmonar, lo que no resta ningún mérito a Servet, puesto que desconocía su existencia.
1924年から今日では、13世紀の半ばにイブン・アンナフィスが最初に血液の肺循環について説明していることが知られ、セルベートが最初の発見者だという功績はなくなったが、それでも彼はその本の存在について何も知らなかった。
13世紀と言えば、私の生きている時代とかぶっている。私はイブン・シーナの本を読んで感激し、それを翻訳しようと試みたが、すべての本を手に入れることはできなかった。あの時代にイブン・シーナ以外優れた学者がいて、キリスト教徒の知らない知識を持っていたとは。
私の時代、15世紀後半から16世紀であるが、医学の主流はガレノスであった。心臓を分けている壁には小さな孔があって、そこから血液は流れ混ざり合っていると教わった。
僕もニコラス先生からそのように習いました。
私はもうイブン・シーナの本を全部読みたくて集めまくっていた。
ニコラさんは禁じられているイスラム教徒の本もかなり持っていたので、僕は一生懸命隠しました。1度本を読み始めると寝るのを忘れるので、僕は心配になってよく見に行きました。
見に行ってそこで何かしたのか?
ニコラさんはイブン・シーナの本を見ながら、人間の体の仕組みについて教えてくれました。僕には難し過ぎてよくわからないけど、生き生きと本の内容を話すニコラさんが大好きでした。
結局一生かかっても読みたい本を全部読むことはできなかった。だから私は天国に行くのはやめ、地上に残って一緒に本を読んでくれる人間を探すことにした。
まさかそれが亡霊になった理由なのか?余は教皇に異端者にされ、泣く泣く亡霊になったというのに・・・
私も王にふさわしい立派な棺を作ってもらえなかったという理由で亡霊になってしまい、情けなくて泣きました。皆さんとお会いしてからは、この生活も悪くないと思うようになりましたが・・・
私は本が読みたくて、自ら進んで亡霊になった。文句あるか。
僕はニコラさんと離れたくないから、一緒に亡霊になった。
相変わらず主体性のないヤツだ。
血液の肺循環説についてまとめます。古代ローマのガレノスは心臓を分ける壁に小さな孔があってそこを血液が流れ、心臓の中で血液と大気が混ざると考え、それがヨーロッパでは長く信じられていました。でも13世紀にイスラム教徒の学者イブン・アンナフィスが著書の中で血液の肺循環について説明しました。
その通りです。
そして16世紀、ミゲル・セルベートは解剖で肺動脈が太いことを知り、血液は肺で大気と混ざり合うと考え、ガレノスの説を否定しました。でもそれを神学の本に書いたため、本は燃やされてしまい世に出ることはありませんでした。そして17世紀にウィリアム・ハーベーが発表したことで、血液の肺循環説は広く知られることになりました。
うまくまとまっています。今日の話はここで終わりにします。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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