獄中からの手紙

文字数 1,177文字

今日はミゲル・セルベートに関するエッセイの中で獄中からの手紙について書きましたのでここでも紹介します。作品のページには下の写真から入ってください。
手紙を部分的にラミロ2世にスペイン語でも読んでもらって紹介します。
Veis que Calvino está al término de su papel no sabendo éste qué debe decir y por su gusto me quiere hacer pudrir en la prisión.
カルヴァンからの最近の書類を見る限り、なすべきことはされていなく、彼は私がこの牢獄の中で朽ち果てるのを望んでいるようです。
Los piojos me comen vivo, mis calzones están destrozados y no tengo muda, ni jubón, ni otra camisa que una mala.
シラミどもは生きている私の体に噛みつき、私のズボンはボロボロになっても替えもなく、胴着もなく、シャツも酷い物を着ているだけで他のはありません。
酷いですね。
身分の高い者が人質として幽閉されている場合は別として、牢獄は裁判まで生かしておくだけの場所、牢獄で亡くなった者も大勢いる。
今から100年以上前の1903年、ジュネーブのシャンペルの丘にセルベートの慰霊碑が作られ、その時に有名な彫刻家に銅像が注文されました。でも出来上がった彫像の受け取りをジュネーブは拒否して、それはすぐ近くでフランス領の都市アンヌマスに設置されることになりました。
どうして受け取りを拒否したのですか?
おそらく出来上がった銅像があまりにもリアルに獄中の様子を伝えていたからだと思います。その彫刻家は銅像を作る時に何種類かの型を作り保管していました。それを使ってよく似た銅像が作られ、スペイン、サラゴサのミゲル・セルベート病院の入り口に設置されました。
確かにリアルですね。
ミゲル・セルベート病院があるのはサラゴサの新市街で周りは近代的な建物ばかりです。病院はたくさんの建物に分かれた大きな総合病院で、おそらくスペイン国内でも大きな病院の1つだと思います。
そのような大きな病院にまで名前がつけられているのか。
はい、スペインのアラゴン州には病院だけでなく学校や公園などミゲル・セルベートの名前がついた施設がたくさんありました。
新市街の新しい建物は余にはまったく認識できない。亡霊というものは自分の生きた時代のものか、あるいは憑依した人間の体験がなければそこにあるものが認識できない。
サラゴサの新市街にはレイナ・ペトロニーラという名前の五つ星ホテルもあります。
おおー!余の娘ペトロニーラの名前がついたホテルがあるのか。
サラゴサは見どころの多い街なので、また別の機会に紹介します。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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