スペイン語で読むアラゴン5代目の王ラミロ2世(2)

文字数 1,884文字

スペイン語で読むラミロ2世の生涯の続きです。今回も本人のラミロ2世は体調不良というか、自分の人生のパネルを見るのが怖くてたまらないそうなので、代わりにペドロ2世にスペイン語部分を読んでもらいます。ペドロ2世はラミロ2世のひ孫にあたります。
作品のページには下のパネル写真から中に入って下さい。
1134  Tras la muerte de su hermano, y con la debida dispensa papel, RamiroⅡse proclama rey en Jaca, y ha de lesolver la complicada situación derivada del testemento de AlfonsoⅠ.
1134年、兄の死によりラミロ2世が正式に聖職者から免除されてハカで王となる。これにより、アルフォンソ1世の遺言が引き起こした複雑な状況は解決される。
1135  En Vadoluengo se fijan las fronteras con el reino Navarra, que se separa del de Aragón.
1135年 バドルエンゴでアラゴンから分かれていたナバラ王国との国境が定められる。
1135  Casa con Agnes de Poitiers.
1135年 アグネス・ポイティエスと結婚する。
1136  Tras el tratado de Aragón, recupera para Aragón todo el territorio de Zaragoza que había sido ocupado por el rey de Castilla.
1136年 アラゴンの条約により、カスティーリャ王国がサラゴサで占領していた領土を全てアラゴンに取り戻す。
1137  Se lleva a cabo la capitulación matrimonial de su hija Petronila, de dos años, con el conde Ramón BerenguerⅣde Barcelona. Utiliza para ello la figura del "casamiento en casa" proveniente del derecho consuetudinario de los valles pirenaicos.
1137年 2歳の娘ペトロニーラとバルセロナ伯爵のラモン・ベレンゲール4世との婚約を行う。ピレネーの谷間の地方で習慣となっていた、『内輪での結婚』という立場を彼には用いた。
1137  Se retira al monasterio de San Pedro el Viejo, sin renunciar a la potestad regia, pero dejando el gobierno del reino al conde de Barcelona.
1137年、引退してサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院に入った。王位は放棄しなかったが、王国の統治はバルセロナ伯に委ねられた。
1156  Se celebran los esponsales de Petronila con Ramón BerenguerⅣ.
1156年 ペトロニーラとラモン・ベレンゲール4世の結婚式を行う。
1157  Fallece en San Pedro el Viejo.
1157年 サン・ペドロ・エル・ビエホで亡くなる。
パネルを見る限り、出来事だけを書いてあって、悪口とかないです。
背景がウエスカの鐘の絵なので、どんな怖ろしいことが書いてあるかと思ったのですが、この生涯を読む限り、ラミロ2世のスペインでの評価は悪くないようです。ナバラがアラゴンと分かれたとありますが、これはサンチョ・ラミレスの時代にナバラ王が兄弟の争いで殺され、アラゴン王がナバラ王も兼ねることになったけど、ナバラ王の後継者が成長して王になったから独立したのであって、ラミロ2世とは直接関係ありません。
でもまだ『ウエスカの鐘』について、下の方に書いてあるのだろう。そこに何が書かれているか、考えただけでも怖ろしい。
パネルに何が書いてあっても、ここにいるみんな、ラミロ2世の味方です。歴史でどう評価されていても、僕はラミロ2世が行ったことは正しいと信じています。
次回はいよいよ問題の『ウエスカの鐘』についてです。
伝説の事件について、スペイン語ではにゃにが書いてあるにょかにゃー。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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