ジャン・ジェルソン(1)

文字数 1,668文字

ここでコンスタンツ公会議が行われるために尽力し、会議を主導したフランスの神学者ジャン・ジェルソンについて話題にします。作品集には下の画像から入ってください。
ジャン・ジェルソン(1363年ー1429年)はフランス出身の神学者である。
聞いたことがない名前です。
私も初めて知りましたが、コンスタンツ公会議に大きく関わっているようです。
ジェルソンは敬虔な両親、父アーヌルフ・シャリエルと母エリザベート・ド・ラ・シャルデニエールの間に12人兄弟の7番目として生まれた。ジェルソンのほか兄弟姉妹のうち7人が修道者になっている。彼は14歳でパリ大学のナバール・カレッジに学び、自由学芸を修めると神学を学んだ。そこでパリ大学総長ピエール・ダイイの薫陶を受けた。ダイイは後に司教から枢機卿にあげられ、ジェルソンの生涯の師にして生涯の友になることになる。
どこの大学で学んだかということが重要になってきますね。
ジェルソンは優秀であったため早くから大学内で注目されており、1383年から1384年にかけてパリ大学のフランス人学生団の代表に選ばれた。1387年にはジェルソンはパリ大学の代表団の一員として教皇へ陳情された問題の事情説明に赴くという栄誉を担った。その問題とはパリ大学の出身でドミニコ会の神学博士モンテソノのモンソンなる人物が聖母マリアもまた原罪から逃れ得なかったと主張して他のドミニコ会員と共に大学から追放された事件に関することであった。
この頃は大きな勢力にはならなくても、結構いろいろな主張をする人がいますね。
モンソンと聞くと余はモンソン城を思い浮かべてしまう。
モンソンがこれを不服としてアヴィニョンの教皇クレメンス7世に直訴したため、審理を行うべくパリ大学の代表が召喚され、ジェルソンやダイイがアヴィニョンに赴いたのである。ジェルソンのこのアヴィニョンへの旅は、後世のマルティン・ルターのローマへの旅とよく比される。2人ともそこで目にした教会の現状に心を痛め、教会改革を決意したという共通点がある。ジェルソンは教会分裂の現状と聖職者のモラルの低下に衝撃を受け、以後パリ大学を拠点に聖職者の霊的向上と教会分裂の克服に全力を注ぐことになる。
ジェルソンもまた聖職者のモラルの低下に気づいてそれを何とかしようとしていた人だったのですね。
1392年、ジェルソンは博士号を取得した。1395年にはル・ピュイの司教に選ばれたピエール・ダイイの後任として32歳でパリ大学総長に選ばれた。改革への熱意に燃えるジェルソン総長のもと、パリ大学の名声は頂点に達した。王権と教皇権に対する大学の自主性を主張しただけでなく、大学の研究環境と教員たる聖職者たちのモラルを向上させたことで、パリ大学にはヨーロッパ中から優れた学生たちが集まった。
凄いじゃないですか。もし僕がこの時代に生まれてパリの大学に行っていたならば、大学総長のジェルソンに夢中になってその影響を大きく受けたと思います。
しかしジェルソンの著作を分析すると、この時代のジェルソンは一方で職責の重さに悩んでいたこと、終日書簡の執筆と自著の分析に追われていたことがわかる。彼の著作は3つの時代に区分できる。第1は大学改革に取り組んだ時代、第2は教会分裂の収拾にかけた時代、最後は晩年の信心書の情熱を注いだ時代である。
僕は教会大分裂は聖職者の堕落から始まり、そうした聖職者の腐敗を批判したフスがコンスタンツ公会議で異端者にされて処刑され、それがきっかけでボヘミアでフス戦争が始まり、それは僕たちの時代も大きく変えたと考えていました。極端に言えば、コンスタンツ公会議がなくて別の形で教会大分裂が終わっていれば、16世紀にここまで激しくカトリックとプロテスタントが争い、僕たちユダヤ人への酷い迫害が行われることもなかったのではないかと・・・でもジェルソンについて聞いて、コンスタンツ公会議を主導した人も思い付きでやったわけではない、同じように教会の腐敗に心を痛め、改革を目指していたということを知って、複雑な気持ちです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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