ジャン・カルヴァン(5)

文字数 1,252文字

カルヴァンの予定説についてまとめます。作品集は下の画像から入って下さい。
予定説は、聖書からジャン・カルヴァンによって提唱されたキリスト教の神学思想。カルヴァンによれば、神の救済にあずかる者と滅びに至る者が予め決められているとする(二重予定説)。神学的にはより広い聖定論に含まれ、その中の個人の救済に関わる事柄を指す。全的堕落と共にカルヴァン主義の根底を成す。


これはとても危険な説だと思います。人間は堕落しているから滅びに至ると脅され、その中でも神の救済にあずかる者がいると言われれば、誰もがその方法を知りたいと考えてしまいます。
予定説を支持する立場からは、予定説は聖書の教えであり正統教理とされるが、全キリスト教諸教派が予定説を認めている訳ではなく、予定説を認める教派の方がむしろ少数派である。
予定説を認める教派が少数派でよかったです。もし多数派になっていたらもっと酷いことになっていたでしょう。
予定説に従えば、その人が神の救済にあずかれるかどうかはあらかじめ決定されており、この世で善行を積んだかどうかといったことではそれを変えることはできないとされる。例えば、教会にいくら寄進をしても救済されるかどうかには全く関係がない。神の意志を個人の意思や行動で左右することはできない、ということである。これは、条件的救いに対し、無条件救いと呼ばれる。神は条件でなく、無条件に人を選ばれる。神の一方的な恩寵である。

救済されるのは特定の選ばれた人に限定され、一度救済にあずかれた者は、罪を犯しても必ず神に立ち返るとされる。これは聖徒の堅忍と信仰後退者の教理である。

これはとても怖ろしい考えです。自分たちが神に選ばれた特別な存在だと信じた時、人間は必ず悪魔になります。
アウグスティヌスは、人間が全的に堕落し、救われるためには神の恵みによらなければならないが、神はすべての人を救われるのではなく、救われるべき人々を神があらかじめ選ばれたという予定説を展開した、と改革派教会においては理解される。
どんどん自分たちの都合のいいように解釈しています。
ただし、アウグスティヌスを聖人として列聖する正教会・カトリック教会においては、アウグスティヌスの見解を予定説とは捉えていない。

アウグスティヌスは、ペラギウス主義および半ペラギウス主義への反駁として、救済の恩寵が信仰や善行に対する因果関係において先行すると説いた。しかしアウグスティヌスの著書「告白」において、母モニカの死後、彼女の救済を願う祈りが記されている。そのため、実際のアウグスティヌスによる恩寵論がカルヴァニズムに見られる予定説を意味すると捉えるのは極めて困難だといえる。

カルヴァンの予定説は理論としてはとてもうまく当時の人々の心を捉えていますが、人を支配、コントロールしてしまう説だと思います。ミゲル・セルベートはカルヴァンの本の中で予定説に印をつけ、余白に「この説は人間を丸太や彫像のようにしてしまう」と書いて送り返したためにカルヴァンを激怒させ殺されています。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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