モンソンからバルセロナへ

文字数 1,130文字

『スペイン旅行の写真』に『モンソンからバルセロナ』を投稿しました。今回は写真はそんなに多くなくて地味です。作品集には下の写真から入ってください。
これはモンソンからリェイダへ行くローカル電車から見た外の景色です。アラゴンは街以外は大体こういう景色が広がっています。
初代王ラミロ1世から余ラミロ2世まではアラゴンの領土はほとんどがこういう土地だった。
余、ペドロ2世の時代にはバルセロナやフランスも部分的にアラゴンの領土になっていたからイメージはかなり違う。余の時代のアラゴンはフランス風の宮廷文化を持つ先進国で大国であった。
余は生きている時はアラゴンへ行ったことは1度もなかったが、母上から話は聞いていた。母上は父上と結婚する時には大勢の侍女や宮廷の騎士、吟遊詩人などを連れてシチリアへ入城したと聞いている。そのアラゴンのイメージとこの景色はどうも結びつかない。
でも僕が住んでいた修道院の周りは大体こんな感じです。
アラゴンは大きな街以外はこのような景色が広がっている。でもだからこそ大きな戦争に巻き込まれることもなく、昔から続く生活が残っていた。
ミゲル・セルベートの生まれた家のある村も本当に小さくて不便な場所にある村でした。でもだからこそ昔の家や教会がそのままの姿で残っていたのだと思います。
特別な観光名所などなくても、我ら亡霊はこのような自然な場所や昔の建物の中にいる時、心癒されエネルギーを蓄えることができる。
今回のスペイン旅行はバルセロナ、サラゴサ、ウエスカ、モンソン、バルセロナと移動しました。最初はサラゴサ旧市街あたりから徐々に中世、ルネサンスの世界にタイムスリップしていてそれはモンソンまで続いていました。でも最後、リェイダからバルセロナに戻る時のAVEでいきなり現代に連れ戻されました。
モンソンからリェイダへ行くローカル電車はモンソンから乗った人は10人もいなくて車内はガラガラでした。それがリェイダからバルセロナへ行くAVEは日曜日ということもあってか、マドリッドからバルセロナまでのAVEは車両が30くらいつながっていて、ほぼ満席だったのです!
古い時代の我々には想像もできない話だ。
そんな人込みの中で迷子になったら大変だから、外には出ないようにしていた。
そうですね、ウエスカやモンソンであれほど身近にいた亡霊の方々、リェイダに到着したあたりから感じなくなりました。というか、私はリェイダの駅で、自分の乗る車両が28号車だったので、28車両分の距離をスーツケース押しながら走りました。亡霊の方々がいるかどうか、考える余裕はなかったです。
そしてバルセロナに到着しました。アラゴンの地方から都会、中世とルネサンスの世界から現代へと戻ってきたわけです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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