エンリケ2世(2)

文字数 1,322文字

エンリケ2世についての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
エンリケ2世は内戦の際にフランスの支援を受けたことから、百年戦争ではフランスを支援して1372年にはラ・ロシェルの海戦でイングランド海軍と戦い、これに大勝している。また、アラゴン王国とも婚姻関係を結んでその親睦を深めるなど、後のスペイン王国誕生の基礎を築き上げた。
アラゴン王国との婚姻関係というのはエンリケ2世の長男フアン1世(1358ー1390)がアラゴン王ペドロ4世の王女レオノールと1375年に結婚したことです。2人の間に生まれたフェルナンド1世が後に『カスペの妥協』でアラゴン王に選ばれました。
またセゴビアのアルカサル(王城)を改築。現在は世界遺産となっている。
セゴビアのアルカサルです。とても美しい形をしています。
モンソン城とは違いますね。
モンソン城は戦いのための城としてイスラム教徒が作り、後にテンプル騎士団が利用した。見た目の美しさではなく戦いのための頑丈さや機能性を重視している。
1379年5月29日にペドロ1世を慕うランゴヴァンという騎士に殺された。その時に首をランゴヴァンの仲間に切られ、行方不明となった。
最後は悲惨ですね。
エンリケ2世は協力した貴族・聖職者に多くの領地を与えたが、結果国内の貴族勢力が増大した。また王位を簒奪したが故に自己を正当化する必要があり、ペドロ1世は記録を残す聖職者とは不仲だったこともあって、同時代の記録では贔屓目に見られていたと考えられる。
ペドロ1世はイスラム文化に傾倒し、またユダヤ人を多く登用していました。そうしたこともカスティーリャ国内の貴族や聖職者が反発し、エンリケ側が有利になった原因の1つだと思います。
エンリケは即位前にフアン・マヌエルの娘ファナ・マヌエルと結婚し、以下の子女をもうけた。

・フアン1世ーカスティーリャ王

・レオノールーナバラ王カルロス3世と結婚

他に多くの庶子をもうけた。

レオノールの娘ブランカはナバラ女王になりました。
ナバラ女王ブランカというのは、私の甥のマルティーノと結婚し、その後アラゴン王フアン2世と結婚したあのブランカですよね。
エンリケ2世がカスティーリャ王であったのは僅か10年で最後は殺されています。でもエンリケ2世の血はカスティーリャだけでなくアラゴンとナバラにも流れていてそれぞれの国を支配しています。
結局エンリケ2世の血が、カスティーリャ、アラゴン、ナバラの全ての王国に流れることになります。
カスペの妥協でカスティーリャ王子のフェルナンドが選ばれ、バルセロナ朝アラゴン王家の血は途絶えてしまいました。バルセロナ家の代わりにトラスタマラ家の王が支配するようになり、アラゴンは変わってしまいました。トラスタマラ家の祖エンリケ2世は狡猾さと残忍さでカスティーリャの王位を簒奪しました。もちろんペドロ1世の側にも残忍さや批判すべき点はたくさんあります。けれどもエンリケ2世の権力欲、狡猾さ、残忍さの血が以後それぞれの王国を支配しました。そして僕たちの時代、スペインはユダヤ教徒、イスラム教徒を迫害し、プロテスタントを迫害、新大陸の文明を破壊して多数の住民を虐殺する国になってしまいました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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