パレルモのエウゲニウス(3)

文字数 669文字

パレルモのエウゲニウスについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
エウゲニウスは、翻訳者や詩人としても活躍し、1154年から1169年にかけてパレルモで起こった出来事を記録した年代記作家Hugo Falcandusの筆名の由来になったとも言われている。エウゲニウスは、このような年代記の作者とするには確かに適切な人物であった。
パレルモはシチリア王国の首都としてかなり栄えていたようですね。
またエウゲニウスは、1154年頃、プトレマイオスの『光学』をアラビア語からラテン語に翻訳し、20冊の写本が残っている。
ガレノスの医学の本などもアラビア語に翻訳されて伝えられました。医学や科学の分野でアラビア語、イスラム文化が果たした役割は大きいと思います。
さらに、Sibylline Erythraeonをギリシャ語からラテン語に翻訳したが、その写本はフィオーレのヨアキムの予言をもとにした13世紀のものしか残っていない。14世紀の写本には24編の詩が残っているが、コンスタンティノープルで流行っていたスタイルで書かれた平凡なものだった。また、ドイツで投獄されたことを嘆き、それを世界の悪しき状況のせいにしながらも、自分の問題を哲学的に捉えた詩も書いている。
エウゲニウスはシチリア王国の王朝が変わる状況の変化に巻き込まれて投獄されるなどの苦労をしていますが、それでもパレルモを中心としたシチリア王国が他民族が共存する国際的な国で、だからこそ貴重な本が翻訳されて残されたということがわかりました。次回からオートヴィル朝について調べてみます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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