パレルモのエウゲニウス(3)
文字数 669文字
エウゲニウスは、翻訳者や詩人としても活躍し、1154年から1169年にかけてパレルモで起こった出来事を記録した年代記作家Hugo Falcandusの筆名の由来になったとも言われている。エウゲニウスは、このような年代記の作者とするには確かに適切な人物であった。
さらに、Sibylline Erythraeonをギリシャ語からラテン語に翻訳したが、その写本はフィオーレのヨアキムの予言をもとにした13世紀のものしか残っていない。14世紀の写本には24編の詩が残っているが、コンスタンティノープルで流行っていたスタイルで書かれた平凡なものだった。また、ドイツで投獄されたことを嘆き、それを世界の悪しき状況のせいにしながらも、自分の問題を哲学的に捉えた詩も書いている。