ダーンリー卿ヘンリー・ステュアート(3)

文字数 920文字

ダーンリー卿ヘンリー・ステュアートについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
まだ先代のイングランド女王メアリー1世が存命であり、メアリーがフランス王太子妃だった時に、メアリーは2通の結婚契約書にサインをしていた。1つは、

フランソワをスコットランド王として即位させること、そしてアンリ2世の死後は両国を統合すること。したがって、メアリーとフランソワの間に生まれる最初の王子も引き続き両国を統治するが、仮に生まれたのが女子のみならばサリカ法典により、その王女はスコットランドを統治するにとどまる。その場合はフランソワの兄弟、またはフランソワの子孫がフランス国王になる。

と書かれていた。

フランソワとメアリーが結婚したことで、フランス側はもうスコットランドを手に入れたつもりになっていますね。
そしてもう1通、こちらの方は極秘であったが後に内容が明らかになってしまった契約書があった。そこには

もしもメアリーが子供を産まずに死去した場合、スコットランドの他にイングランドの王位継承権もフランスに譲渡する。

と書かれてあった。この結婚契約書が明らかになった時から、メアリーとエリザベスの間に、生涯に渡る深い確執が引き起こされる事になった。エリザベス1世はダーンリーにロンドン帰還を命じ、命令に従わなければ反逆罪と見なすという厳しい態度を見せ、さらにまだイングランドに残っていたダーンリーの母マーガレットをロンドン塔に幽閉した。

このような契約書が見つかってしまえば、エリザベスがメアリーに対して厳しくなるのも無理ないと思います。
エリザベス1世は王位継承権について弱みを持っていた、ヘンリー8世はキャサリン・オブ・アラゴンと離婚し、エリザベスの母アン・ブーリンと結婚したが、しかし依然として前王妃との離婚はローマ教皇に認められておらず、ローマ教皇やカトリックの国々の王から見れば、エリザベスは非摘出子であり、メアリーこそが正当なイングランド王位継承権の持ち主であった。ヘンリー8世も、遺言状には「エリザベスにイングランド王位を継がせる」と書いていたが、その前に自ら「エリザベスは提出子ではない」と宣言していた。
いろいろなことが複雑に絡んでいます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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