ブルゴーニュ公フィリップ2世(3)

文字数 1,910文字

ブルゴーニュ公フィリップ2世についての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
1400年にイングランド王ヘンリー4世とシャルル6世の休戦協定に尽力した他、かつて敵対していたクリッソンから幼少のブルターニュ公ジャン5世・アルテュール兄弟を託され、後見人として養育している。
え、アルテュール・ド・リッシュモンはブルゴーニュ公フィリップ2世に育てられたのですか?本当に幅広くいろいろなところに手を広げていますね。
1404年にブラバントのハレ(現在のフラームス=ブラバント州の町)で死去。妻の伯母にあたるブラバント女公ジャンヌには子が無いため、豪胆公の次男アントワーヌを後継者にする取り決めがなされ、アントワーヌを伴いブリュッセルへ旅立ちジャンヌと面会させたが、滞在中に体調を崩したため近隣のハレへ移り、そこで息を引き取った。ブルゴーニュ公位はジャンが、ブラバント公位は1406年にジャンヌ亡き後にアントワーヌが嗣いだ。
権勢拡大の一方で芸術にも関心が深く、メルキオール・ブルーデルラム、クラウス・スリューテル、ジャン・マヌエル、リンブルク兄弟らを招聘して書庫の拡充、多彩なタペストリーの収集、金銀細工・彫刻などあらゆる豪華な飾り立てを奨励、家族の墓所としてディジョンにシャンモル修道院を建造して自身もここに埋葬、フランドルの宮廷に華麗な文化を根付かせた。
私はアラゴンの財政を傾かせて死んだ時に王にふさわしい棺を作ってもらえないほどだったので、うらやましいです。
僕はいろいろな事件の黒幕はすべてブルゴーニュ公フィリップ2世だったのではないかと疑っています。
フィリップ2世が開いた公爵家は、ブルゴーニュで2番目にして最後のものとなった。マルグリット3世との間には9子をもうけた。

・ジャン1世(1371年ー1419年)ブルゴーニュ公「無怖公」

・シャルル(1372年ー1373年)

・マルグリット(1374年ー1441年)下バイエルン=シュトラウビング公・エノー伯・ホラント伯・ゼーラント伯ヴィルヘルム2世妃

・ルイ(1377年ー1378年)

・カトリーヌ(1378年ー1425年)オーストリア公レオポルト4世妃

・ボンヌ(1379年ー1394年)

・アントワーヌ(1384年ー1415年)ブラバント公。アジャンクールの戦いで戦死。

・マリー(1386年ー1422年)サヴォイア公アメデーオ8世妃

・フィリップ(1389年ー1415年)ヌヴェール伯。アジャンクールの戦いで戦死。

ブルゴーニュ公フィリップ2世はいろいろなところとつながりがあるから、いろいろな事件の黒幕になっている可能性も高いです。王妃イザボーは悪名高いですが、ブルゴーニュ公フィリップ2世とジャン1世父子の操り人形だったのかもしれません。1398年のフランス王シャルル6世とヴェンツェルが、教会大分裂について話し合おうとしたのが、ヴェンツェルが酔いつぶれたという話がありましたが、誰かがわざとヴェンツェルに大量の酒を飲ませて会談を中止にしようと企んだのかもしれません。
まだあります。ヴェンツェルは狩りの成果を報告するためにアラゴン王フアン1世のところに使者を送ったと聞きましたが、本当に狩りの話のためだけでしょうか?狩りの話だけでなく、アラゴンとの同盟を考えて手紙を持たせたかもしれません。フアン1世はフランスへの強い影響力がありました。そしてその力を恐れた何者かに暗殺され・・・
フェリペよ、話を飛躍しているのでは・・・
わかっています。でもフアン1世が突然亡くなっていること、どうも気になるのです。そして陰謀を企むとしたらやっぱりブルゴーニュ公フィリップ2世以外は考えられないのです。
私はやっぱり暗殺されたのでしょうか?
フアン1世の死が暗殺ではなくても、ブルゴーニュ公フィリップ2世はアラゴンを滅ぼしています。教会大分裂の時、シャルル5世はベネディクトゥス13世を支持しています。そのままフランスの支持が続けば、ベネディクトゥス13世が正式に教皇になり教会大分裂は終わったかもしれないです。そうなればカスペの妥協の時、カスティーリャ王子がアラゴン王に選ばれることもなく、アラゴンは全く違う国になっていたでしょう。フィリップ2世はうまいことをやって広大な領土と権力を得ています。そして教会にも介入し、教会は世俗権力と結びついて堕落します。フランスでは悲惨な争いが続きました。ボヘミアもフス戦争で荒廃しました。理想の国、理想の都が権力闘争でボロボロになってしまいます。権力争いで勝ち残った者はますます残酷になる、僕の生きている16世紀のスペインは最も残酷な国になってしまいました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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