クレシーの戦い(2)
文字数 1,640文字
イングランド軍のロングボウを装備した弓兵の活用は、バノックバーンの戦いで手痛い敗戦を経て、スコットランド独立戦争の中で急速に発展していた。イングランド軍の戦術の骨子は、戦闘力の高い下馬騎士と熟練した弓兵の連携にあった。
さらに、緩やかな斜面にそって逆V字型になるように両翼にロングボウ部隊を配置し、打たれ弱い彼らに対する騎兵の突撃を防ぐために穴を掘り、杭を打ちたてた。エドワード3世自身は後方に陣を構え、風車を指令所とした。
昼過ぎに戦場にフィリップ6世率いるフランス軍が到着。フランス軍の騎士は、自身の力への過信のために血気盛んで、統率を乱していた。フィリップ6世はこれを見て当日の戦闘開始を決意。ロングボウ部隊に対抗するためにクロスボウ部隊を前衛に配置し、その後方にフランス騎士軍(重騎兵部隊)を配置した。
フランス軍はイングランド歩兵の恐怖を煽るために、クロスボウ部隊の攻撃に合わせて楽器を打ち鳴らしたが、その目論見は脆くも崩れ去った。本来、直接照準における水兵射撃では射程、威力、命中精度に勝るクロスボウであったが、上向きの射撃となったことで、効果が大きく減殺された。一方のロングボウ部隊は上方からの射撃であり、地理上の優位があった。
ロングボウは間接照準で上方に向って打ち上げることにより射程の点でクロスボウに勝った。また1分間に1,2発程度しか発射できないクロスボウと1分間に6-10発と速射性能で大きくまさるロングボウとの差は明白でクロスボウ部隊は散々に打ち負かされた。
武器の違いでフランス軍は大変な目にあっていますね。逆にイングランドは大きな戦いで人数も少ないのに圧勝した、特にエドワード黒太子など16歳で初めて戦争に参加してこんな勝ち方をしたら調子に乗ってしまうのではないかと・・・
エドワード黒太子だけでなく、イングランド全体が味をしめました。戦争に勝って敵を殺したり捕虜にすれば領土も広がりお金も入る、戦争が国を発展させる有効な手段になってしまうのです。私などはそれができずに国の財政を傾けてばかりいると批判されましたが・・・