クレシーの戦い(2)

文字数 1,640文字

クレシーの戦いについての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
イングランド軍のロングボウを装備した弓兵の活用は、バノックバーンの戦いで手痛い敗戦を経て、スコットランド独立戦争の中で急速に発展していた。イングランド軍の戦術の骨子は、戦闘力の高い下馬騎士と熟練した弓兵の連携にあった。
ロングボウは主にグレートブリテン島のウェールズおよびイングランドで使用された弓で、名前の通り長さが4-6フィート(120-180cm)ほどもあると書いてありました。
8月26日の朝、イングランド軍はクレシー村近郊の低い山に陣地を構えた。イングランド軍は中央に下馬騎士の部隊を配置し、エドワード黒太子がそのうち一隊を受け持った。
この時のエドワード黒太子は16歳でした。
さらに、緩やかな斜面にそって逆V字型になるように両翼にロングボウ部隊を配置し、打たれ弱い彼らに対する騎兵の突撃を防ぐために穴を掘り、杭を打ちたてた。エドワード3世自身は後方に陣を構え、風車を指令所とした。
エドワード3世はよく考えている。
そして本人は後方にいます。ペドロ2世ぐらいですよ、王が真っ先に飛び出して戦死してしまうのは・・・
昼過ぎに戦場にフィリップ6世率いるフランス軍が到着。フランス軍の騎士は、自身の力への過信のために血気盛んで、統率を乱していた。フィリップ6世はこれを見て当日の戦闘開始を決意。ロングボウ部隊に対抗するためにクロスボウ部隊を前衛に配置し、その後方にフランス騎士軍(重騎兵部隊)を配置した。
つまりこの戦いはロングボウ対クロスボウの戦いでもあるわけか。
クロスボウは西洋で用いられた弓の一種であり、専用の矢を板ばねの力で弦により発射する武器である、と書いてありました。
まずフランス軍のジェノヴァ人の傭兵で構成されたクロスボウ部隊が射撃を行い、戦闘が開始された。対するイングランド軍は、ウェールズ人の自由農民で構成されたロングボウ部隊が応射し、射撃戦となった。
この時代はロングボウとクロスボウの射撃戦が主流になっているのか。
フランス軍はイングランド歩兵の恐怖を煽るために、クロスボウ部隊の攻撃に合わせて楽器を打ち鳴らしたが、その目論見は脆くも崩れ去った。本来、直接照準における水兵射撃では射程、威力、命中精度に勝るクロスボウであったが、上向きの射撃となったことで、効果が大きく減殺された。一方のロングボウ部隊は上方からの射撃であり、地理上の優位があった。
戦争では地形をうまく利用することが重要ですね。
また、エドワード1世の時代より時間をかけて鍛え上げられてきたロングボウ部隊は連度も高く、クロスボウに比べて扱いの難しいロングボウを完璧に使いこなしていた。
エドワード1世は1239年ー1307年まで生きたプランタジネット朝のイングランド王で、エドワード2世、エドワード3世と続いているので、そんなに昔の王ではないです。
ロングボウは間接照準で上方に向って打ち上げることにより射程の点でクロスボウに勝った。また1分間に1,2発程度しか発射できないクロスボウと1分間に6-10発と速射性能で大きくまさるロングボウとの差は明白でクロスボウ部隊は散々に打ち負かされた。
武器の違いでフランス軍は大変な目にあっていますね。逆にイングランドは大きな戦いで人数も少ないのに圧勝した、特にエドワード黒太子など16歳で初めて戦争に参加してこんな勝ち方をしたら調子に乗ってしまうのではないかと・・・
エドワード黒太子だけでなく、イングランド全体が味をしめました。戦争に勝って敵を殺したり捕虜にすれば領土も広がりお金も入る、戦争が国を発展させる有効な手段になってしまうのです。私などはそれができずに国の財政を傾けてばかりいると批判されましたが・・・
また一説には、フランス軍が出撃準備の整っていないクロスボウ部隊を(脅して)出撃させ、そのため大盾で身を隠すことの出来ないクロスボウ部隊はロングボウの一斉射撃に混乱し、崩壊したとも言われる。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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