スペイン語で読むアラゴン3代目の王ペドロ1世(3)

文字数 1,306文字

今回でわが兄上ペドロ1世については最後になる。
作品集には下のパネル写真から中に入って下さい。
1098  PedroⅠ consagra la iglesia de San Salvador de Leyre.
1098年 ペドロ1世はサン・サルバドール・デ・レイレの教会を奉納する。
1101  El 18 de octubre Barbastro capitula ante PedroⅠ.
1101年 10月18日にバルバストロがペドロ1世を前に降伏する。
1101  Se edificia Juslibol para preparar el asalto a Zaragoza.
1101年 サラゴサを攻撃するためにフスリボルを建築する。
1104  En el mes de septiembre Pedro muere de enfermedad en la conquista del valle de Arán, en ese momento territorío del Pallas Sobira. Es sepultado en el Panteón Real del monasterio de San Juan de la Peña.
1104年 9月にペドロはちょうど領土にしたパラス・ソビラにある征服したアランの谷で病気で亡くなった。遺体はサン・フアン・デ・ラ・ペーニャにある修道院の王家の霊廟に埋葬された。
1068年に生まれて1104年に亡くなっている、36歳という若さでペドロ1世は亡くなられたのですね。
祖父ラミロ1世が44歳、父サンチョ・ラミレスは51歳で亡くなっている。当時としては特別若くして亡くなったわけではないが、祖父や父が亡くなった時に跡継ぎが成人していたのに比べ、ペドロ1世の場合は跡継ぎの子が先に亡くなっていたのが大きな痛手だった。
アルフォンソ1世が生まれたのが1073年、ラミロ2世が生まれたのが1086年なので、それぞれペドロ1世とは5歳、18歳年が離れていますね。
この年の差が余の運命を決めたのであろう。5歳違いのアルフォンソ兄上はともかく、18歳も違っておまけのように生まれてきた子など必要ないと思われたに違いない。
いえ、聖職者になって王家を支えて欲しいという狙いだったと思います。
父上の狙いはなんであれ、ペドロ兄上が王、アルフォンソ兄上が軍隊、余が聖職者という形で我々3兄弟はうまく協力できるはずであった。だが、ペドロ兄上が世継ぎを残さずに亡くなられたことで、余の運命もアラゴンの歴史も大きく変わった。
ペドロ1世とラミロ2世が18歳も年が離れていたなんて驚きました。そんなに離れていてはいらない子と思われても・・・あ、いえ、大切な我が子を聖職者にすることで、アラゴンを確固たるキリスト教の国にしようとするお考えがあったのかと・・・
何か歯切れの悪い言い方だな。とにかくペドロ兄上が亡くなられた時、余はまだ18歳。この時はまだ自分が王になるとは夢にも思わなかった。聖職者として人生を全うするつもりだった。
にゃるつもりはにゃいのに王になってしまうとは、運命は皮肉だにゃー。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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