バルセロナ大聖堂(2)

文字数 756文字

今日は『スペイン旅行の写真』にバルセロナ大聖堂の写真の続きを紹介しました。作品集には下の写真から入って下さい。
ここに集まっている亡霊の方々はほとんどが不運が重なって当時のキリスト教社会で救われず亡霊になった人ばかりです。
余は『ウエスカの鐘』の粛清で同じキリスト教徒の貴族をたくさん殺している。
余は反乱を起こして王位をはく奪され、目を潰されて幽閉され不治の病に罹った。絶望の中、馬と一緒に谷底に身を投げて自ら命を絶った。
余は南フランスでの領土を巡る争いでカタリ派に味方したために教皇から破門され、その状況で戦死した。
私は王妃とその寵臣が宮廷を牛耳らせて王国の財政が傾き、死んだ時に王にふさわしい立派な棺を作ってもらえなかったという情けない理由で亡霊になってしまいました。
こうしてそれぞれの理由で亡霊になったのですが、彼らは皆生涯キリスト教の信仰を守り続けていた。それが不運が重なって救われない状況になったので悲劇です。
本当はすごく酷いことをしていてもその人が権力を持っていたり、本人が正しいと信じている人が救われるというのはおかしいと思います。
権力や自分の信念だけで本当に天国へ行けるのかどうかはわからない。実際に天国へ行った者には普通の人間は会うことはできないのだから。ただ自分が正しいかどうか信念がぐらついている者は亡霊になって地上に留まる可能性が高い。
ニコラさんの信念はぐらついていたのですか?
いや、私は確かな信念を持っていた。自分が正しいと信じて残酷なことをする者が集まる場所が天国ならそんな住みにくい場所には行きたくない。それに地上にはまだ読んでいない本が無数にある。だから私は地上に留まった。
キリスト教社会で否定された彼らですが、だからこそ一緒に教会や大聖堂に行って、その素晴らしさに感動したようです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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