修道院長の助言

文字数 931文字

2000字家族小説に新しく『修道院長の助言』を投稿しました。作品のページには下の写真のパネルから入ってください。
写真はウエスカにあるサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院の中です。この修道院に王家の霊廟があるのですが、スペインの人は霊廟よりも柱の彫刻を熱心に見ていました。実際にラミロ2世が子供の時に過ごしたのはこの修道院ではないのですが、似たような雰囲気だと思います。
小説を読むと、ラミロ2世のイメージはかなり変わりますね。
はい、『ウエスカの鐘』がラミロ2世1人の考えかそれとも誰かの示唆があったかで、印象は大きく変わります。
示唆と言っても師匠は私利私欲のためにあのような助言をしたわけではない。余の命と王国の将来を心配したからこそ・・・
もちろんそうです。でもあのキャベツ畑での助言があったからこそ、ラミロ2世は反乱で殺されることもなく、アラゴン王国も救われました。
キャベツ畑での助言と言うとほのぼのとした印象だが、そこには鋭いメッセージが隠されていた。その修道院長はただの修道士ではない。
ニコラさんも修道士になる前は騎士だったからメチャクチャ強くて頼りになった。
はい、その師匠は俗世間も知っているだろうと仮定して書きました。そしてラミロ2世の場合、子供の時に修道院に入れられていますけど、それは最初から修道士にするつもりではなかったかもしれないと。
それはどういうことだ?
あの時代は王家や貴族の子が勉強のために修道院に入れられるのはよくあることでした。修道院が1番よい教育が受けられる場所、学校のようになっていたのかもしれません。ただその場合はある程度の年齢になってからは修道院を出ますが、ラミロ2世はそのまま修道士としての道を歩むようになりました。
僕たちのいる修道院の修道院長も最初から聖職者になろうとしたわけではないですよね。
そう、あの方も最初は戦士になろうとして、実際に何度も戦場に行っていた。これは私個人の考えだが、俗世間を知っている者の方が優れた聖職者になっているような気がする。
同じ事件でも書き方が違うと印象は全く違ってしまいます。『修道院長の助言』はスペイン語のパネルを読んでそのイメージで書いた初めての小説なので、ぜひこちらも合わせて読んでください。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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