ボードゥアン4世(4)

文字数 766文字

ボードゥアン4世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ボードゥアン4世は病がつのり結婚の望みが絶えてしまったので、王位継承問題に決着をつけておく必要があった。

トリポリ伯レーモン3世は思慮分別に富み、サラディンと個人的に親しく、王に最も近い血縁であることから、王にもしものことがあれば王権を求めることもできたが、男子継承より近親継承を優先する土地の風習により、1177年、姉シビル(シビーユ)にピエモント貴族であるグリエルモ・ディ・モンフェッラートを娶らせ、二人の間に後のボードゥアン5世がもうけられた。しかしグリエルモは数か月後にマラリヤで亡くなり、継承問題は振り出しにもどってしまう。

もしトリポリ伯レーモン3世が王位を継いだら、エルサレム王国の歴史はかなり違ったと思います。
未亡人シビーユは当代随一の美男子というほか何の取り柄もないギー・ド・リュジニャンと再婚をし、下の妹のイザベルももっとくだらないオンフロワ4世と結婚する。
結婚相手を間違えて国を混乱させるというのは、メアリー・スチュアートに似ているとも思いました。
王国の重責はボードゥアンにかかるが、病状は日ごとに悪化し断続的にしか政務は執れなかった。母のアニェス・ド・クールトゥネーも権勢と金銭欲の固まりのような女で、これら王の近親は王国を食い物にし、有能な家臣であるトリポリ伯を嫌う点で共通した。
実の母や姉の結婚相手と対立するところはシャルル7世にも似ています。
私の義理の孫シャルル7世は周囲の者をみんな敵に回して苦労しています。
ボードゥアン4世の偉大さに比べて、周囲の者があまりにも自分勝手で自分のことしか考えていないということに腹が立ちます。ボードゥアン4世があんなに苦労して守ったエルサレム王国がこの後ボロボロになっていくというのは本当に悔しいです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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