占星術と医学
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医者は開業医となるだけでなく、王や貴族、高位聖職者の侍医になることも多かった。彼らの病気や怪我の手当てをするだけでなく、出生時のホロスコープを作ったり、戦争や疫病の時期を予言できれば有効なアドバイスができ、そういう人材が求められていた。
その人物の生まれた時と場所から、その時の星の位置を調べ、星の位置や角度からその人物の星からの影響、持って生まれた性質や運命、才能などを知ろうとするものだ。ホロスコープの作り方は難し過ぎて私にはよくわからないが・・・
『ヘルメス文書』は紀元後にエジプトで編集された書物ですが、なぜかルネサンス期の人はそれが紀元前、モーゼの時代より前に書かれた人類最古の書物と信じていました。失われた叡智がまとめられた本と信じ、その中の『大宇宙と小宇宙は互いに対応している』という考えに引きつけられました。小宇宙は人間のことです。
でもミゲル・セルベートという人は教会が禁じている占星術の授業を大学で行っていました。気象学や天文学を含む数学という名目でした。火星の食、つまり月の位置で欠けて見える日を計算し、その時に戦争やペストが起きると予言しました。
教会は禁止しましたが、占星術はますます広まっていきます。もっと後の時代になりますが、有名なノストラダムスも医者であり占星術師でした。彼はフランス王アンリ2世の死やその後彼の子が次々王になることを予言して当時から有名でしたが、その後の私たちの時代に関係することも予言していてブームになっています。