その説は人間を丸太や彫像のようにしてしまう
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今日はミゲル・セルベートに関するエッセイの中で、ジュネーブの裁判でも問題にされ、7年前にセルベートが手紙の中でカルヴァンの予定説について痛烈に批判していたことを書いたので、そのことについて話題にします。作品のページには下の写真から入ってください。
En uno de ellos Servet afirma que la doctrina de la predestinación de Calvino reduce al hombre a tronco y estatua.
スペインとドイツの間には羊毛の加工などの交易があったから、ルター派の学者や書物はかなりスペインに入ってきた。そしてスペインではルター派への厳しい迫害が行われた。スペインの異端審問所の残酷さは有名で、どんな酷い目に合ってもスペインで拷問されるよりはマシと言われたぐらいだ。
カルヴァンはフランス人で最初はパリの大学で学んでいましたが、独自の考えを持って本を出してからは危険を感じてスイスに亡命しています。教皇を中心としたカトリックの制度を批判して聖書中心の教義を展開したところはルター派と同じですが、カルヴァンはさらに神の予定説を出してこれはカルヴァン派独自の考えです。
カトリックのキリスト教社会で、我々ユダヤ人は異教徒として様々な迫害を受けてきた。ルターの宗教改革が始まり、キリスト教徒の中でも分かれて争うようになった。争いの中ではいかに多くの信者を集めるか、数で優位に立つことが極めて有効である。どうしたら手っ取り早く多くの信者を集めることができるかわかるか?
死後の救いと現世での利益、その2つを結び付けることです。十字軍の時に教皇はそれに参加すれば神に救われて天国に行かれ、さらに豊かな土地も得られると保証しました。だからあれほど多くの人間が熱狂し、そして残酷なことが行われました。
予定説もまた同じように神の救いと現世利益を結びつけている。救われるかどうか保証はしなくても、労働に励んで成功すればそれが神に選ばれた証になると信じるようにした。選ばれた人間とそうじゃない人間に分け、敵対する者を残酷な方法で殺せば、ますます教祖はあがめられ信者は集まる。