シャルル4世(2)

文字数 1,572文字

シャルル4世についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
1323年、ヴァロワ伯シャルルを使節として教皇ヨハネス22世に派遣し、フィリップ5世が1320年に中止した十字軍の計画を再開した。しかし、ヨハネス22世がシャルル4世を信用せず、またシャルル4世もエドワード3世との争いに忙殺されたため、交渉は頓挫した。ヴァロワ伯は翌年に亡くなる。
シャルル4世は後継者を残さずに亡くなっていますが、3人兄弟の中で1番よくフランス王として考え、行動していたようにも思えます。
1326年、反乱を起こされている東ローマ帝国に介入しようとした。東ローマ皇帝アンドロニコス2世パレオロゴスは東西教会の合同をもちかけ、ヨハネス22世も交渉に前向きだったが、アンドロニコス3世パレオロゴスの反乱が本格的になったためまたもや頓挫した。さらに1328年にシャルル4世が崩御するとフランスも東ローマ帝国に介入する余裕がなくなった。
東ローマ帝国もまた複雑ですね。
シャルル4世の最初の妃はブランシュ・ド・ブルゴーニュでブルゴーニュ伯オトン4世の娘。1307年に結婚、1322年に離婚。1男1女をもうけたが、いずれも夭逝した。

・フィリップ(1314年ー1322年)

・ジャンヌ(1315年ー1320年)

2人の子がもっと長生きしていたら離婚はしなかったかもしれませんね。
2番目の妃はマリー・ド・リュクサンブールで神聖ローマ皇帝ハインリヒ7世の娘で、ボヘミア王ヨハンの妹。1322年に結婚、1324年に死別。1男をもうけたが、出産後に母子とも死亡した。

・ルイ(1324年)

3番目の妃はジャンヌ・デヴルーでエヴルー伯ルイの娘で従妹に当たる。1325年に結婚。3女をもうけ、シャルル4世の崩御後に生まれた末娘のみが成人に達した。

・ジャンヌ(1326年ー1327年)

・マリー(1327年ー1341年)

・ブランシュ(1328年ー1382年)ヴァロワ家のオルレアン公フィリップと結婚。

シャルル4世は後継者を残さずに亡くなり、カペー朝は途絶えてしまいますが、3人の兄弟の中で1番フランスのことを考えて行動し、父フィリップ4世に似ているようにも思います。フランス王に即位してすぐに教皇に結婚を無効にしてもらい、新しく神聖ローマ皇帝ハインリヒ7世の娘と結婚しています。スキャンダルを起こした王妃を切り捨ててボヘミアと結びついた方が有利と考えたのでしょう。王妃マリーは出産で亡くなってしまいますが、その後もカール4世を宮廷に置いてよい教育を与えたのは、ボヘミア王家との良好な関係を続けたかったからでしょう。その後カール4世は神聖ローマ皇帝になり、彼の家庭教師は教皇になっています。その前にシャルル4世は亡くなっていますが、もし彼が長生きすれば、フランスは教皇と皇帝、2つの権力者と強い繋がりを持てたのです。
そう考えるとシャルル4世の早過ぎる死でフランスの歴史は大きく変わってしまったのですね。
私は王妃とその寵臣に宮廷を牛耳られてアラゴンの財政を傾かせ、後継者を残さずに死んでいるので不真面目王と呼ばれ評判は悪いです。でも私にも夢がありました。アラゴンの大貴族ルナ家出身のベネディクトゥス13世が対立教皇ではあったけど教皇に選ばれ、神聖ローマ皇帝カール4世の子ヴェンツェルと狩りを通して仲良くなりました。アラゴンもまた教皇と皇帝、2つの権威とつながりを持つチャンスがあったのです。だからフランスの文化を取り入れ、娘をフランス王家に嫁がせてアラゴンもまた大国の仲間入りができると信じていました。私は早死にして何もかもうまくいかなくなりましたが・・・
シャルル4世の治世は短かったけど、フランスの歴史を変える大きな可能性も持っていたと思いました。次回からはカペー朝の次のヴァロワ朝について話題にします。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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