フィリップ・メランヒトン(2)

文字数 1,052文字

フィリップ・メランヒトンについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
メランヒトンは1530年に福音主義教会の最初の信仰告白『アウクスブルク信仰告白』を執筆する。これにはローマとの対立をできるだけ緩和しようという意図もあり、教皇権、煉獄といった問題には触れられていない。しかしカトリック教会はこれに反撃して"Confessio pontificia"を出したため、メランヒトンは『アウクスブルク信仰告白の弁証』を書いて再反論を行った。『アウクスブルク信仰告白』と『アウクスブルク信仰告白の弁証』は、ルター派の信仰告白となった。
メランヒトンは最初はローマとの対立を緩和しようとしていたのですね。相手を徹底的に批判して支持者を得るのと、対立を避けようとするのではかなり違ってくると思います。
しかし次第に、ルターとの思想的相違が顕在化してくる。ルターは宣義と聖化を動的に結合させて理解したが、メランヒトンは両者をはっきり区別し、宣義を罪の赦しと同一視する傾向があった。さらに後年には、メランヒトンは自由意志をある程度容認するようになり、聖餐論ではカルヴァンに接近した。『ロキ』の第2版、アウクスブルク信仰告白の改訂版にもそれが表れている。

このことから、ルター派内部に神学論争が起きることになった。メランヒトンに同調する人々は「フィリップ派」と呼ばれる。

僕は難しい神学論争についてはよくわかりません。でもルターの考えがローマ・カトリックとの対立の中でどんどん過激になってその矛先がユダヤ人に向けられているのを知り、ルターの反ユダヤ主義を批判したメランヒトンの方がはるかに理性的、倫理的な考えを持っていたように思います。
メランヒトンが「人は神の恩寵に対して自ら応え得る」とした主張は神人協力説と位置付けられ、メランヒトンの説が元になって起きた自由意志を巡る論争は神人協力論争と呼ばれる。この論点において、メランヒトンの主張はエラスムスと同様のものであるとされる。
私も神学論争についてはよくわからないのですが、ルターの考えがどんどん過激になって反ユダヤ主義のように後のナチスに繋がる思想になっている中、メランヒトンやエラスムスの思想がそうした過激な思想を抑え、人間が残虐になるのを止めようとしているならば、それはとても価値あることだと思いました。
1560年4月に召天。墓はヴィッテンベルクの諸聖人教会内、マルティン・ルターの隣にある。
次回からスイスの宗教改革者フルドリッヒ・ツヴィングリについて調べてみます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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