ブルゴーニュ公ジャン1世(2)

文字数 1,551文字

ブルゴーニュ公ジャン1世(無怖公)についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
1404年に死去した父の跡を継いでブルゴーニュ公となると、フランスで王妃イザボーと結んで政権を支配する従兄弟のオルレアン公ルイと対立、翌1405年3月に母も亡くなりフランドル伯となりパリへ行くことを決めた。
この時のオルレアン公ルイはよくないですね。義理の姉である王妃イザボーと密通するなんてキリスト教社会では許されないことです。
折しも6月にカレーを包囲したもののフランス政府が援助を断ったことを機に、8月に臣従礼を取ることを名目に軍勢を連れてアラスからパリへ向かい、イザボーとオルレアン公はムランへ逃亡、2人から王太子を奪い取った無怖公は10月にオルレアン公と和睦したが、結果としてパリでオルレアン公と並ぶ権力者にのし上がった。
アラゴンでは考えられないことです。王がまだ生きているのに王妃と王弟が結ばれるのもありえないし、無怖公が王太子を人質にとって脅すというのも信じられないです。
パリで権力者にのし上がった際には、オルレアン公と政府の腐敗政治を攻撃して政治改革を標榜し、パリ市民の支持を得て歓迎された。以後無怖公は、政府の攻撃と改革を旗印にパリ市民を味方につけ、合わせて軍を動かして圧力をかける手法を活用していくことになる。


オルレアン公の悪口を言ってパリ市民を味方につける、ブルゴーニュ公ジャン1世はかなり卑怯ですね。まあオルレアン公も王妃と不倫して権力を得ようとしているから、どっちもどっちという感じですけど。
1407年に巻き返しを図ったオルレアン公を暗殺、フランドルへ逃亡したが、政府が自分の勢力を恐れて本格的に追及して来ないことに気付いた無怖公は翌1408年2月末にパリへ戻り、3月の公開弁論でオルレアン公こそが反逆者で自分の行為は正当防衛だと自己弁護を押し通して国王シャルル6世からの赦免を勝ち取る。1409年にはオルレアン公の息子で公位を継いだシャルルと和睦、王太子の後見に収まり政府の実権を握った。
どうしてみんなブルゴーニュ公ジャン1世の言いなりになっているのですか?シャルル6世の弟オルレアン公を暗殺しているのですよ。もっと厳しく追及されてもいいはずです。
オルレアン公は王妃と不倫するという決定的なミスを犯している。それにブルゴーニュ公はフランドルも領土にあり、ヴィッテルスバッハ家ともつながりがある。その力を怖れていたのだろう。
その間、無怖公は1408年7月にネーデルラントへ遠征、義弟に当たるバイエルン公兼エノー伯ヴィルヘルム2世の弟であるリエージュ司教ヨハンとリエージュ市民が対立し市民の反乱が勃発、9月までに無怖公は反乱を鎮圧して10月にパリへ戻った。留守中のパリはイザボーらオルレアン派が反撃を考えていたが、ブルゴーニュ軍が来ると受け入れ、1409年の和睦まで目立った動きは無かった。
この時はまだ王妃イザボーはオルレアン派ですよね。このあたり本当に複雑です。
しかし、無怖公の強引な権力掌握に納得いかないオルレアン公は復讐を誓い、舅であるアルマニャック伯ベルナール7世やベリー公ジャン1世などを頼り、1410年にアルマニャック派を結成しブルゴーニュ派に対抗、翌1411年7月に武力衝突となり両派の対立が激化した。両派はパリの支配とシャルル6世・イザボー・王太子を奪い合ったが、イングランドの支援を取り付けた無怖公が同年10月にパリを奪いアルマニャック派を反逆者にするシャルル6世の命令も引き出して主導権を握った。


アルマニャック派とブルゴーニュ派の対立を見て、イングランドはしめしめと思ったでしょう。フランスは宮廷内で争っている場合ではなかったのにそのことに気付いていない、本当に愚かです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色