スコットランド王ロバート1世(6)

文字数 1,145文字

スコットランド王ロバート1世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
1305年9月エドワード1世はロバートに対してそのキルドラミー城を”自ら進んで答えるような状態に保つよう”命じた。これはすなわち、エドワード1世にとってロバートは完全に信頼できる人物ではなく、秘かに陰謀を練っているのではないか疑っているとの意思表示だったのである。もっとも同じ文句はエドワード1世とその副官で長年の友であったエイマー・ド・ヴァレンスとの協定でも現れている。エドワード1世のさらなる不信の兆候は10月10日に、ギルバート・ドゥ・アンフラヴィルの土地をロバートに与えるという、わずか6ヶ月前にした約束を取り消したことにも現れていた。
エドワード1世の残虐さを考えると迂闊なことはできませんね。
キャリック伯として、そして今やアナンデイル卿としてのロバートは、スコットランドでは広大な領地と財産を、イングランドでは男爵領と幾つかの小規模な財産を保持するようになり、スコットランド王位を請求しうる最有力者となった。同時に守るべき大家族の主でもあった。仮に王位を請求するとしたら、いまだに続いている国内の争いに身を投じなければならず、仮に失敗するとしたら全てを犠牲にしなければならないということをロバートは皆知っていたのである。
私はアラゴン王でよかったです。こんな身を削るような戦いや複雑な駆け引きは私には耐えられません。
ロバートは自身の一族全てと同様に、自身に王位を継承しうる権利があることを完全に信じていた。しかし王位を得るための行動が、イングランド軍とスコットランド軍からの支持を代わる代わる受けたものであったことから、”スコットランド王国の共同体”間ではロバートに対する不信感が大きく広がることとなった。加えて、ロバートの野心の障害となったのがジョン・カミンであった。ジョン・カミンはイングランドと対決するという頑なな意思を、ロバートよりも遥かに抱いていたのである。
スコットランドは本当に複雑です。
同時にスコットランドで最も積極的な貴族であり、スコットランドならびにバカン、マー、ロス、ファイフ、アンガス、ダンバーおよびストラサーンの各伯領を有する関係者をも含む、イングランドの多くの積極的な貴族とも関係があったのである。自身はキルブライト、カーキンティロッホ、レンジー、ベドルール、スクレスバラの領主であり、またバンフ、ディングウォール、ウィグタウン、アバディーンの州長官でもあった。また父方からはドナルド3世の、母方からはディヴィッド1世の血を引いていたことから、スコットランド王位の請求を積極的に行っており、ジョン・ベイリャルの甥でもあった。
ライバルのジョン・カミンも有力候補だったのですね。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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