家族以外の絆

文字数 935文字

4月の2000字小説は家族がテーマでしたが、書いている間に、実際の家族ではなく血のつながりはなくても強い絆で結ばれている関係もあるとあらためて思いました。今日は家族以外の絆について語ってもらいます。作品集は下の肖像画から入ってください。
余にとっては修道院での若い時の師が深い絆で結ばれていた。実際に一緒に暮らして教えを受けた期間はそれほど長くはなかったかもしれないが、後に余が王になった時の危機を救う適切なアドバイスを与えてくれた。修道院長のキャベツ畑での教えがあったからこそ、余はアラゴンを守り、人生を全うすることができた。
『ウエスカの鐘』の事件がなかったら、アラゴンの歴史は全く違ったものになっていたかもしれません。
それから娘婿のバルセロナ伯にも感謝している。娘とは20歳以上年が離れているのにきちんと約束を守り、自分が王と名乗ることもなかった。血のつながりはないが、我ながらよい婿を選んだと思っている。
『ウエスカの鐘』のラミロ2世は引退したとはいえ生きているのだから、怖くて下手なことはできなかったと思います。
それでもよい。バルセロナと結びついたことでアラゴンは大国になった。
余は息子のハイメ1世を育ててくれたテンプル騎士団に感謝している。よい教育を受けられたからこそ、後に征服王となることができたのだろう。
僕は修道院のニコラス先生に感謝しています。先生が勉強を教えてくれたからこそ、僕は生きる勇気を与えられました。
私もまた唯一の家族であった叔父を失い生きる希望を失っていた。だが修道院でフェリペや他の子供たちに教えるうちに、彼らの未来が自分にも夢や未来を与えてくれた。貴重な経験をさせてくれた彼らに感謝している。
僕は最初修道院に入れられた時はグレていました。でもニコラさんと出会い、ニコラさんを家族のように慕いました。
おそらく私は生まれる前、前世でも修道士だったのだろう。その時はきっと誰かの世話になっていて、だからこそ次は自分が教え導く者になりたいと考えた。
誰かの役に立てるのはうれしいですよね。私は新しく家族になったフェリペと養父が、私のエピソードで仲良くなれてすごくうれしかったです。
血は繋がってなくても深い絆で結ばれている関係はいろいろあると思いました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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