ラミロ2世の初めての乗馬

文字数 953文字

今日は2000字コメディ小説に新しく『ラミロ2世の初めての乗馬』を投稿しました。作品のページには下の肖像画から入ってください。
タイトルでもう内容がわかりそうだ。どうせ剣も握れない、馬にも乗れない余をみんなで馬鹿にするのだろう。
ラミロ2世は極端ですよ。不真面目王と呼ばれた私ですら馬にくらい乗れます。
だが実際の戦争には行ってないだろう。
それは私のせいではなく、私の生まれた時代が悪かったのです。私の父ペドロ4世はカスティーリャのペドロ1世と戦ったけどペストの影響で決着がつかずにダラダラと続きました。
この時の相手のペドロ1世が日本では漫画で有名な残酷王ペドロ1世です。
実際に戦争に行くことはなくても、王家の人間のたしなみとして訓練は受けました。
余は子供の時から修道院に入れられたから、そうした訓練は全く受けていない。だから同じ両親から生まれた兄弟でありながら、戦士王と修道士王、運命は極端に分かれてしまった。
余は訓練を受け、実際の戦争も経験しているから戦士としては理想的だ。
僕たちの時代からは戦争のやり方も少しずつ変わってきました。大砲などが使われるようになったからです。
現代では戦争のやり方は全く違っています。
だからこそ護身術の学校での戦闘訓練は貴重な体験だった。亡霊を見ることができる人間など滅多にいないし、この機会を逃したらもう昔ながらの戦闘スタイルはなくなってしまうかもしれない。だから余は心を鬼にしてスパルタ指導をした。
ペドロ2世に言われるならともかく、フアン1世までもが・・・
私はラミロ2世の様子を見て、少し自分に自信がつきました。
ラミロ2世は極端です。でも僕もおかげで異母弟のマルティンと仲良くなることができました。
褒められているのかけなされているのかよくわからない。
僕とマルティンは異母弟という微妙な関係です。僕は継母に苛められて追い出されているし、マルティンもまたそのことで悩んでいた。でもラミロ2世が笑いを与えてくれたおかげで仲良くなることができました。
私は生きている時も死んで亡霊になってからも自己否定ばかりして声も小さくオドオドしてました。でもラミロ2世はそんな私の自己否定など吹き飛ばしてくれました。
何事にも極端なラミロ2世は笑いをもたらし、周りの人間を変えてくれる貴重な亡霊です。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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