ブルゴーニュ公フィリップ2世(2)

文字数 1,581文字

ブルゴーニュ公フィリップ2世(豪胆公)についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
1388年にシャルル6世が親政を始めるとブルゴーニュ公フィリップ2世は権力から遠ざけられたが、1392年にシャルル6世が精神異常の兆候を示すと摂政権をめぐってシャルル6世の弟オルレアン公ルイと争った。
シャルル6世の弟であるオルレアン公ルイとの争いはフィリップ2世の時から始まっていたのですね。
対立の焦点は外交にあり、教会大分裂で終息を望みローマを支持するパリ大学に同調する豪胆公に対しオルレアン公はアヴィニョンを支持した。
教会大分裂の時、アラゴンの大貴族ルナ家出身のベネディクトゥス13世がアヴィニョンの教皇として即位しました。私の弟マルティンの王妃も同じルナ家出身です。フランスのシャルル5世はアヴィニョンの教皇を支持していましたが、シャルル6世はローマを支持するようになった、その背景にはブルゴーニュ公フィリップ2世の影響もあったのですね。ベネディクトゥス13世はアラゴン王を決めるカスペの妥協の時にカスティーリャの支持を得るためにカスティーリャ王子のフェルナンドに投票するように代理人に指示を出していましたが、アラゴン王となったフェルナンド1世はベネディクトゥス13世を裏切りました。
教会大分裂とカスペの妥協の時の問題はブルゴーニュ公フィリップ2世にもつながっていたのですね。
ミラノ公国との姻戚関係から北イタリア介入を企むオルレアン公を豪胆公が阻止、1400年にローマ王ヴェンツェルが廃位されると豪胆公はヴィッテルスバッハ家出身の新たなローマ王ループレヒトを支持したが、オルレアン公はヴェンツェル支持というように2人はことごとく対立した。
あれ、ここでヴェンツェルの名前が出ていますよ。
余はブルゴーニュ公フィリップ2世もオルレアン公もよく知らない。よく知らない者に敵にされたり支持されたりしていたのか。
当たり前です。ローマ王、そして神聖ローマ皇帝の権威は絶大ですから。ヴェンツェルはローマ王になっていたのに自覚がなさすぎます。
またシャルル6世の側近だったフランス王軍司令官オリヴィエ・ド・クリッソンを失脚させている。
ブルゴーニュ公フィリップ2世は怖いですね。あらゆるところに手を伸ばし、確実に自分の思い通りにしています。
1402年に両者はパリ周辺に軍勢を集め武力衝突寸前となったが、王妃イザボーを始め王族達の説得で和睦、1403年にイザボーを中心とする政権が樹立した。これらの争いは後にブルゴーニュ派対アルマニャック派の争いとなり、フランスを混乱に追い込むが、豪胆公の生存中は、あくまで宮廷闘争の範疇に収まっていた。
この宮廷闘争はやがてイザボー対シャルルの争いにもなります。私の義理の孫シャルル(後のシャルル7世)は父シャルル6世は気が狂い、母イザボーと対立して殺されそうになりました。これは私が死んだ後ですが、本当に酷いです。
豪胆公の権力は健在で、孫娘マルグリットをルイ王太子と婚約させ、同時にマルグリットの弟で同名の孫フィリップ(後のフィリップ3世)と王太子の姉ミシェルとの婚約も成立、より王家と親密になった。
ルイ王太子は1415年12月に18歳の若さで早世し子供はいませんでした。マルグリットはその後アルテュール・ド・リッシュモンと再婚しています。ミシェルは1422年に27歳の若さで子供の無いまま急死したが、その死は母イザボーの意を受けた侍女による毒殺であったと言われています。
王妃イザボーの酷さは有名ですが、彼女がフランス王シャルル6世の王妃となったのは、フィリップ2世がヴィッテルスバッハ家と手を結んで娘と息子を二重結婚させた影響が大きいです。フィリップ2世とジャン1世、豪胆公と無怖公の父子はフランスの王宮に食い込み、王家をメチャクチャにしています。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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