ナンバー1の座は誰にも渡さない!

文字数 756文字

なんだ、この低俗なタイトル!余はここでスペイン語を交えて高尚な呟きをしたかったのに、内容がどんどん下がっている。
2月末の締め切りまでに、自分の小説がどれだけ読まれるか、みんな気にしているようです。
若い者は気楽でよいな。余は数百年忌み嫌われてきた。今更人気者になりたいとは思わぬ。
ラミロ2世はそうかもしれませんが、他のみんなはせっかく名前が知られて脚光を浴びるチャンスと思っているようです。
亡霊が下手に光を浴びると消えてしまう危険がある。
まあそうですけど、とりあえず1番言いたいことがあるハインリヒ7世にしゃべってもらいます。
余はあの小説全体を通じて真の主人公だと信じている。『モンソン城の歌』を読んでみれば余と少年がどれほど深い絆で結ばれたかわかるであろう。
『モンソン城の歌』はアラゴン王は歌が下手だと間違った情報を伝えるおそれがある。余は修道士だった。いい気になって歌など歌うわけない。
生きている時はそうかもしれませんが、亡霊になった後にみんなで遠足に行くのですから、気持ちもウキウキしたのかもしれません。
余はそういうキャラではない!
余が問題にしたいのは、ラミロ2世のキャラや歌のうまさではない。あの場面で余と少年の距離はぐっと縮まった。そして次の『巡礼の旅』にはシリーズ全体を貫く大いなるヒントが隠されている。
ちょっと待ってください。あんまりネタバレしないでください。
作者の表現力が拙いから、真に言いたいことが伝わっていない。次の『ボードゥアン4世』は少年が余に捧げたオマージュでもある。
え、そうなんですか?
作者はよくわからずに書いているようだ。以上のことを踏まえて読んだ後もう1度『ハインリヒ7世』を読んで欲しい。そこで読者は真実がわかり深い感動につつまれる。
今日は時間の都合により、ここで終わりにします。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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