ジャンヌ・ド・ナヴァール(1)

文字数 1,190文字

ナバラ王カルロス2世の娘で、ブルターニュ公妃とイングランド王妃になったジャンヌ・ド・ナヴァールについて紹介します。説明では英語読みのジョーン・オブ・ナヴァールと書いてあったのですが、ここではフランス語名で書きます。作品集は下の画像から入ってください。
ブルターニュ公未亡人ジャンヌと次男のアルテュール・ド・リッシュモン、アンリエット・ロリミエ画、1806年、と書いてありました。
アルテュール・ド・リッシュモンてシャルル7世の大元帥のリッシュモンですか?
義理の孫シャルル7世を助けたリッシュモンですか?
なんと、この可愛らしく見える子供がフランスの運命を左右する大元帥になるとは・・・
あのナバラの悪人王カルロス2世の娘と孫がこれほど美しいとは・・・
そうなんですよ。有名なリッシュモンの祖父がナバラの悪人王カルロス2世というのはびっくりしました。そしてジャンヌとリッシュモンは複雑な立場にもいました。
ジャンヌ・ド・ナヴァール(1370年?ー1437年)は、イングランド国王ヘンリー4世の王妃。ナバラ国王カルロス2世と王妃ジャンヌ(フランス王ジャン2世の娘)の娘。兄はカルロス3世とモルタン伯ピエール。
つまりジャンヌとリッシュモンにはフランスの王族と同じように盲目で戦場を駆け巡ったボヘミア王ヨハンとフランス王ジャン2世の血が流れ、さらにナバラの悪人王カルロス2世の血も流れているというわけです。
祖先を辿るだけでもすごいことになっていますね。
クレシーの戦いで戦死したボヘミア王ヨハンの血を受け継ぐ者が、フランスの大元帥となってフランスを勝利へと導いたわけか。なんと素晴らしい物語だ。
アルテュール・ド・リッシュモンについてはものすごく複雑なのですぐには紹介できませんが、いずれ話題にしたいと思っています。
ジャンヌは最初1386年にブルターニュ公ジャン4世と結婚、9人の子女をもうけたが、1398年にヘンリー・オブ・ボリングブルック(後のヘンリー4世)がリチャード2世により追放され、ブルターニュに居を構えた時、当時公爵夫人だった彼女を見そめたという。
追放された身でありながら、公爵夫人に手を出そうとするなんて、ヘンリーはとんでもない男です!騙されてはいけません!イングランド王家の人間なんて強欲で残虐な者ばかりです。
普段温厚なフアン1世にしては、珍しく激しいことを言っている。
当たり前です!イングランドがフランスに対してどれほど酷いことをしてきたか、義理の孫シャルル7世がどれほど苦労したか、みんなイングランドが悪いのです。それなのにイングランドには後に有名な劇作家がいたから、イングランドのヘンリー4世とかヘンリー5世はいいように書かれているのです。美しい公爵夫人を見そめたなんてとんでもない、虎視眈々と狙っていたのです。
ジャンヌは夫のブルターニュ公ジャン4世が亡くなり、未亡人となります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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