ヨハン・フォン・ルクセンブルク(3)

文字数 1,626文字

ヨハン・フォン・ルクセンブルクについての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
ルートヴィヒ4世がローマ教皇と対立して破門となると、ヨハンは再び皇帝打倒の兵を挙げた。
教皇と対立して破門された王や皇帝は結構たくさんいますよね。ハインリヒ7世の父フリードリヒ2世も破門されているし・・・
教皇は父上を破門し、余をそそのかして反乱を起こすようにした。教皇は対立した相手は破門にするが、カノッサの屈辱以後、破門の効果は薄れたと思う。
ハインリヒ4世のカノッサの屈辱があったのが1077年1月25日です。
余が破門され戦死したのは1213年であるから、カノッサの屈辱よりも後になるのか。
ルートヴィヒ4世がローマ教皇と対立した頃から、ヨハンは病の影響で視力が低下し、1340年には完全に失明してしまい、息子カールが政務を代行するような状態になった。
これはかなりつらい状態だと思います。
盲目になったヨハンは、それでもヨーロッパ各地を転々とし、従者に命じて自分の体と従者の体を紐で結びつけ、従者の先導で戦場を駆け巡ったと伝えられる。
なぜそこまでして戦場に出たいのか、私にはわかりません。
余はその気持ちがよくわかる。戦士として生きた者は、戦場でしか生きられぬ。自分の体がどうなっても戦場に出て自らの手で勝利を掴みたいのだ。
ペドロ2世は無謀な戦い方をして戦死していますが・・・
1346年、息子カールはルートヴィヒ4世の対立王に選出される。その直後、娘ボンヌを嫁がせていたフランス王太子(ドーファン)ジャン(後のジャン2世)からイングランド軍との戦い(百年戦争)で援助を求められ、ヨハンはカールら周囲の反対を押し切って出陣した。
その気持ちよく分かる。余も妹が嫁いだトゥールーズ伯から援助を求められて出陣した。その時カタリ派のことが問題になっていたが、余はカタリ派についてなどよく知らぬ。ただ援助を求められたから参戦したまでだ。それなのにカタリ派に味方したとして異端者にされ、死後母上と同じシヘナの修道院に埋葬されたが、それは教会で定められた場所ではなかった。教皇が変わってやっと母上の隣に埋葬されることが許された。
ヨハンはクレシーの戦いでイングランド王エドワード3世の軍勢を相手に奮闘したが、壮絶な戦死を遂げた。失明しながらもなお、死に場所を戦場に求めたその騎士としての生き様は、敵味方問わず大きな称賛を受けたという。
ヨハンは死に場所を求めていたのでしょうか。失明した自分よりもボヘミア王家の血を引いた息子カールの方がはるかに人気があり、ルートヴィヒ4世の対立王にも選ばれている。息子カールとルクセンブルク家の栄光のためにも、自分は長生きするべきではないと悟って、壮絶な戦死を自ら選んだようにも思えます。
余は祖父ヨハンには直接会ったことはなかったが・・・
翌1347年、ルートヴィヒ4世が死去し、息子カール4世は晴れて単独のローマ王となった。
ヨハンは1310年にボヘミア王およびポーランド王ヴァーツラフ2世の娘エリシュカ(1292年ー1330年)と結婚し、4男3女をもうけた。

・マルガレーテ(1313年ー1341年)バイエルン公ハインリヒ14世と結婚。

・ユッタ(ボンヌ、1315年ー1349年)フランス王ジャン2世と結婚。

・カール4世(1316年ー1378年)神聖ローマ皇帝およびボヘミア王。

・オットカール(オットー、1318年ー1320年)

・ヨハン・ハインリヒ(1322年ー1375年)モラヴィア辺境伯。

・アンナ(1323年ー1338年)オーストリア公オットーと結婚。

・エリーザベト(1323年ー1324年)アンナの双子の姉妹。

1334年にブルボン公ルイ1世の娘ベアトリスと再婚し、1男1女をもうけた。

・ヴェンツェル1世(1337年ー1383年)ルクセンブルク公およびブラバント公。

・ボナ

ヨハンの娘の中ではボンヌがフランス王家と深い関係がありそうなので、次回調べてみます。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色