スペイン語で読むアラゴン4代目の王アルフォンソ1世(3)

文字数 1,677文字

今日は2000字家族小説に『戦士王と修道士王』を投稿しました。作品については下のパネル写真から入ってください。
さあ、今日も張り切ってと言いたいところだが、どうも様子がおかしい。めまいや吐き気、体の痛みなどを感じる。
まさか、人間の間で流行っている病にかかってしまったとか・・・ニコラス先生、大変です。
ほっときなさい。亡霊が病にかかるなんて聞いたことない。どうせ気分の問題だろう。病は気からとも言う。
それでも余は責任は果たす。父上にも兄弟の中で1番責任感が強いと言われたことがある。
確かにそうです。結局ラミロ2世の血が以後アラゴン王家を流れることになるのですから。ではアルフォンソ1世の生涯を始めましょう。
1131  AlfonsoⅠhace su testamento dejando todo el reino en manos de las tres órdenes militares de Oriente. El Temple, el Hospital, y el Santo Sepulcro. "para liber la batalla definitiva al Islam".
1131年 アルフォンソ1世は王国のすべての財産を3つのオリエントの組織に委ねるという遺言状を作った。それはテンプル騎士団と病院と聖体安置所である。『すべてはイスラム教徒との戦いのためである』
1134  Ante Fraga el 17 de Julio sufre su gran derrota.
1134年 フラガとの戦いで7月17日に大きな敗北を経験する。
1134  El 7 de septiembre muere el rey AlfonsoⅠ. Fue sepultado en el castilloーabadia de Montearagon. En 1845 sus restos fueron trasladados a San Pedro el Viejo y reposon en la capilla de San Bartolome, Panteón Real, junto a su hermano y sucesor RamiroⅡ.
1134年9月7日、王アルフォンソ1世が亡くなる。遺体はモンテアラゴンの礼拝所に埋葬される。1845年に遺体はサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院のサン・バルトロメ礼拝堂の王家の霊廟に移され、彼の弟で後継者となったラミロ2世の隣に埋葬される。
ウエスカにあるサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院は余が長年修道院長を務めた場所だ。
5人の王様のパネル写真を撮ったのも同じ修道院です。
最新のものは余の目には見えない。こうして読んでもらってこそ内容が理解できる。
それで体調はどうですか?少しは気分がよくなりましたか?
いや、まだよくない。頭がクラクラしてきた。アルフォンソ兄上の活躍なら余も話には聞いていた。だが、それは余とは全く別の世界で起きていることのように感じていた。だがこうして兄上の生涯について詳しく知ると、それが余の人生とも深く関わっていることがよくわかる。兄上が後継者を残してくれれば、余はあのようなことはせず、修道士の人生を全うできたはずだった。
アルフォンソ1世もラミロ2世も違うようでよく似ていると感じました。2人とも父の言いつけを忠実に守って、あのような人生を送るしかなかったように思います。
本当にそうですね。
そしてラミロ2世は修道士として生きたので、自分の感情をうまく表現することができなくて、ますます苦しくなったのだと思います。体の調子が悪くなったのも、いろいろなことを知って心が悲鳴を上げているからです。
亡霊にそんなデリケートな感情があるのか?
デリケートでありながら人に感情を見せられない立場にいる、だからこじれて長い間亡霊のままでいるのです。
フェリペよ、君は亡霊に対して随分詳しいではないか。
とにかくひっかかっていることがあったら、なんでも話してください。
亡霊もいろいろ大変そうだにゃー。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色