第13話

文字数 7,198文字

 宗史の鋭い指示と同時に、大河が結界を直径三メートルほどまでに一気に縮小した。間髪置かずに宗史と晴が床を蹴った。悪鬼は低い唸り声を上げ、幾つもの触手を伸ばす。宗史と晴がそれを霊刀で薙ぎ払い、叩き切りながら隙間をぬって徐々に間を詰める。二人を素通りした触手の幾つかが大河を襲い、結界が火花を上げた。
「っ!」
 息を詰めて耐える。衝撃に自然と顔が歪む。容赦なく襲う触手に、それでも宗史と晴はこちらを気にする素振りすら見せない。
 あ、信用してくれてる。
 女性たちに向かって、こいつが守るから、と言った晴の言葉が蘇る。大河はぐっと唇を結んで、背後で扉へと向かう女性たちの動きに合わせながら後ろ向きで少しずつ後退した。結界越しに宗史と晴の動きを目にした大河には、一瞬の出来事に映った。
 間を詰めてデスクに飛び乗った二人は、休む間もなく襲いかかる触手を次々と薙ぎ払い、同時にデスクを蹴って跳んだ。
 宗史は真正面から襲いかかる一本の触手を空中で体を捻って避け、次の触手は振り向きざまに叩き切る。一方晴は左右からの触手を、霊刀を振って一瞬にして断ち切り、足元を狙った触手は足を縮めてかわし、腕を回して切り落とした。業を煮やしたのか、悪鬼は触手を束ね、二本の太い触手へと変えた。すぐさま襲いかかる。二人は真正面から襲いかかった触手を、霊刀を横に構えて受け止め、
「オン・バザラナラ・ソワカ!」
「オン・ノウギャバザラ・ソワカ!」
 同時に短く真言を唱えた。晴の霊刀からは炎が、宗史の霊刀からは渦を巻いた水が勢いよく噴き出した。炎と水は触手を伝って混ざり合い、悪鬼を飲み込んだ。悪鬼が悲鳴を上げて動きを止めた。顔を両手で覆い、上半身を屈めて悶えている。
 一旦デスクに着地したが、足場が悪かった。踏みかけたキーボードを避けようとバランスを崩した晴が、傾いだ体勢のまま霊符を取り出し、着地しながら宗史が揃えた指を唇に添え、流れるように真言を口にした。
「オン・シュチリ・キャラ・ロハ・ウン・ケン・ソワカ!」
 晴が霊符を放った。
帰命(きみょう)(たてまつ)る、邪気剿滅(じゃきそうめつ)碍気鏖殺(がいきおうさつ)久遠覆滅(くおんふくめつ)急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!!」
 霊符がまばゆい光を放ちながら悪鬼に貼り付いた。霊符を振り払おうと頭を振る悪鬼を光は瞬く間に包み込んだ。そして、両手で顔を覆ったまま天を仰いだ悪鬼の唸り声と共に、空に溶けて消えた。
「だっ!」
 静まり返った部屋に、結局デスクから転げ落ちた晴の少々情けない声が響いた。
「いってぇ……」
「大丈夫か、晴」
 宗史はデスクから降り、霊刀を消しながら晴の元へ行くと手を差し伸べた。
「足場最悪」
 差し伸べられた手を掴み、打ちつけた腰をさすりながら晴は腰を上げる。
「通路の方でとも考えたんだけどな、大河たちに近くなるからやめた」
「……お優しいことで」
「僻むな」
「誰が何にだよっ」
 いつもの軽口を叩きながらこちらへ向かってくる二人を、大河は結界を解くのも忘れて呆然と見つめていた。
「大河、どうした。終わったぞ」
「えっ、あ、うん」
 宗史に終了を告げられ我に返り、大河はやっと結界を解いた。
 動体視力は悪い方ではない。見るだけなら悪鬼のスピードについていける。しかし、早さに加えてあの数の触手を相手にしろと言われたら、どう考えても無理だ。それをこの二人は、何でもないことのようにあっさりとかわし調伏した。こちらはまだ扉へ辿り着けてすらいないのに。もともと身体能力が高いのか、それとも訓練の賜物なのか。どちらにしろ、
「かっけぇ……」
 大河の目にはそう映った。羨望の眼差しで二人を見つめ、息を吐くように感想を漏らす。
「は?」
「お、やっぱ大河は素直だな」
 宗史が気味悪そうに眉を寄せ、晴が不敵に笑った。
「お前な」
「男に褒められる男は本物よ?」
「何だ本物って。意味が分からん。それより」
 宗史が大河の背後に視線を投げた。そうだ、女性たちだ。
 振り向くと、真奈美が扉に手をかけたまま、京香と共に目を丸くして呆然とこちらを見つめていた。唯一音羽だけがぐったりとして動かない。
「お姉さんたち、もう大丈夫だから。怪我ないか?」
 晴が声をかけると、真奈美と京香は力が抜けたようにへなへなと崩れ落ちた。必然的に音羽も床に座り込む形になる。
「おいおい、大丈夫かよ」
 苦笑いで晴が近寄ると、扉がゆっくりと開いた。まだ恐怖の余韻が残っている時だ、真奈美と京香がびくりと肩を震わせて扉を見上げる。
「あの、大丈夫かい? 何かすごい音がしてたけど……」
 恐々とした声で顔を覗かせたのは、受付をしてくれた警備員の男性だ。聞こえていたのならもっと早く来てくれればいいのに、と思わないこともないが、あれだけの悲鳴や唸り声を聞いてその要求は酷だろう。
「大丈夫です、終わりました。すみませんが、タクシーを一台お願いできますか」
 宗史が冷静に伝えると、警備員はへたり込んだ三人の女性たちを見て「ああうん分かった」と慌てて姿を消した。悲鳴や唸り声を聞いた上に女性たちのこの様子を見て何かあったと察したのだろう。
「そちらの女性の様子はいかがですか」
「えっ? あ、ええ……」
 答えになっていない返事をして、真奈美と京香が音羽の顔を覗き込む。音羽大丈夫? と小声で問いかけるとすぐに、え? と言う疑問の声が上がった。
 大河たちは互いに顔を見合わせた。
「……葉山さん、ほんとは……」
 俯いたまま、音羽がぽつりと呟いた。
「夢も、恋愛も、仕事も、頑張りたかったって……」
「ちょっと、音羽……?」
 突然語り出した音羽を心配そうに見つめて声をかけた京香を、晴が「しっ」と言って制した。
「でも、夢を諦めたら、全部が怖くなったって。だから、夢なんてどうせ叶わないって思うようになって、傷付いて恥をかくのなら、夢なんて初めから見ない方がいいって、そう自分に言い聞かせるようになったって。だから、結婚も就職も、諦めたんだって。でも本当は、もっと……もっといろんなことしたかったって……っ」
 声を詰まらせ、音羽は鼻をすすった。
 大河は痛々しげに目を細めた。葉山佐智子という女性がどんな人物だったのかは知らない。でも音羽の言葉を聞く限りでは、きっと叶えたい夢があったのだろう。しかしそれは叶わず、諦めた。そして一つの夢を諦めた時から、全てを諦めながら生きてきたのだろう。でも、本心は逆だった。
 そんな人が突然の事故で命を落とせば、この世への未練があって当然なのかもしれない。あんな恐ろしい悪鬼に成り果てるほどの、強烈な未練が。
「あんた、何でそんなこと……」
 真奈美が訝しげな顔で尋ねた。
「共鳴したんだよ、さっきの悪霊と」
 晴の答えに「え?」と真奈美と京香が視線を向けた。
「悪霊と意思や思いを共有することを、俺らは共鳴って呼んでる。でも、滅多にないんだよな、こんなこと」
 彼女たちにも分かるように悪霊と言い換えた晴の説明に、大河が首を傾げた。共鳴という言葉は、影正のノートにも説明があったから知ってはいるが、滅多にないことは記されていなかった。
「滅多にないって、じゃあ音羽はなんで……」
「ほとんどの奴は、恐怖で拒否反応が出るんだよ。彼女、その葉山って人と親しかったのか?」
 ううん、と真奈美は首を振ったが、すぐに京香があっと声を上げた。
「音羽、お通夜参列したよね」
「ああ、うん。でも、それだけで?」
「あたし……っ」
 音羽が涙声で叫んだ。
「あたし、お通夜の時に聞いたんです。葉山さんの友達が、葉山さんのこと色々話してるの。誰も、悲しいとか寂しいとか一言も言わないし、泣いてる人もいなくて……それであたし……っこんな風になりたくないって思った……っ! 友達にすら泣いてもらえない人間になりたくないって! でもそう思った時、あたしは嫌な人間だって……人のこと否定できるような人間じゃないのにって……っ! ずっと、葉山さんに申し訳なくて……っ」
 ああ、優しい人なんだな、と大河は泣き崩れる音羽を見ながら思った。
 自分が死んだあと誰にも泣いてもらえないなんて、悲しすぎる。だからそんな風になりたくないと思うのは、至極当然の心理だと思う。でも、そう思ってしまった自分を卑下し、後悔する音羽はきっと、優しい人なんだと。
 そんなの当たり前のことですよ、と声をかけようとした時、僅差で真奈美が口を開いた。
「ねぇ音羽。音羽の話を聞いて、あたしも同じこと思ったわ。死んだあと、誰にも泣いてもらえない人間になりたくないって」
「うんうん、あたしも思った。ちょっとぞっとした」
 追随した京香に、真奈美が頷いた。
「あんたは、あたしたちのこと嫌な奴だと思う?」
「そんな……!」
 弾かれるように顔を上げ、大きく首を振った音羽に真奈美は微笑んだ。
「あたしも、音羽のこと嫌な奴だなんて思わなかったわよ。むしろ当たり前の感情だと思う」
「あたしもそう思う。誰にだって、こんな風になりたくないって気持ち、あって当たり前だよ。だから頑張れるんだよ」
 真奈美が驚いた顔で京香を見やった。
「あんた、意外と考えてるのね」
「人を馬鹿みたいに言わないでよっ」
 ぷくっと頬を膨らました京香に、ごめんごめんと謝り、真奈美は音羽に向き直った。納得しがたい様子で口をつぐむ音羽に、真奈美はしょうがないわねと言いたげに苦笑いを浮かべた。
「確かに、こんな風になりたくないって思うのは、その人の人生や人格を否定することになるし、人を否定できるほど自分は偉いわけじゃないのに申し訳ないって思っちゃうわよね」
 う、と京香が声を詰まらせた。
「それってさ、つまり罪悪感よね」
 音羽と京香が同時に頷いた。
「あのね、罪悪感は自己防衛だって言う人もいるし、誠実だからこそって言う人もいるのよ」
「どういうこと?」
 京香が首を傾げた。
「音羽の場合、あの人を否定した嫌な自分を否定したくて罪悪感を覚えた。要するに、自分のために申し訳ないって思った。自分の嫌な部分なんて、本当は誰だって見たくないし認めたくないものでしょ。それが自己防衛。逆に、誠実さがあるからこそ自分を嫌な奴だって貶めて、申し訳ないって思ったって説。ほら、人を傷付けても何とも思わない人っているでしょ。いじめとか人を騙したりとか」
 ああ、と京香が顔を歪めた。
「どっちの説が正しいとか間違ってるとか、あたしには分からないわ。心理学に詳しいわけじゃないから。ただ、自己防衛なんて当たり前だし、持ってないと自分の方が壊れちゃう。だから、あたしは自分を守るために何かを否定することが悪いことだとは思わない。もちろん程度はあるわ。人を傷付けて楽しんでる人とか、否定しかしない人は勘弁よ。一見、人を否定するのって偉そうに思うけど、京香が言うように、そういう気持ちがないと踏ん張れない時もあるから。人って」
 真奈美はふっと笑い、音羽の頭に軽く手を乗せた。
「それとね、あんたが誠実で優しいことは、あたしたちがよく知ってる。あんた一人だけがお通夜に参加したのがいい証拠よ。仲が良かったわけでもないのに。色々理屈捏ねたけど、結局はあんたが自分の中でどう消化するかなのよ。ただ、これだけは覚えといてね。あたしたちは音羽のこと嫌な奴だなんて思ってないし、大好きだからね」
「うんうん。結局はそこに行き着くのよね」
「でしょ?」
 頷きながら、真奈美は子供をあやすように音羽の頭を撫でた。すると、音羽はくしゃりと顔を歪ませて大粒の涙をこぼした。
「先輩……っ」
「もう、あんた泣きすぎよ。メイク崩れまくりじゃないの。せっかくいい男が三人もいるのに、みっともないわよ」
 茶目っ気のある視線を送ってきた真奈美に大河は「えっ」と驚き、宗史は苦笑いを浮かべ、晴は何故かきりりと表情を引き締めた。お世辞と分かってはいるが生まれて初めていい男扱いされ、大河は思わず相好を崩した。大河顔、と宗史から痛い視線と指摘が飛んだ。
 ふと、京香が呟いた。
「真奈美が言った理屈で言うとさ、あの人も、踏ん張ってたのかもね……」
 真奈美は、嗚咽を漏らす音羽の頭を撫でる手を止めた。
「そうね……でも、幸せだって、一度も言ったことなかったのよ、あの人」
「ああ、そう言われれば……自分の心に嘘ついてたから、かな?」
「……そうかもね」
 自分の心に嘘をついて、本当はこんなはずじゃなかったと、もっとやりたいことがあったのだと未練を残したまま、亡くなった。だから葉山佐智子は死んだ後もこの会社に姿を現した。自分はまだここにいると、このデスクは自分のものだと、そう主張したかったのかもしれない。
 大河はわずかに目を細めた。
 自分の心に一切の嘘をつかずに生きられるほど、世の中が甘くないことくらい知っている。けれど、それでも、少しでも自分の心に素直に生きていれば、悪鬼になることはなかったのだろう。彼女の魂はもう二度と、この世に生まれ変わることはない。それが、悪鬼となり人を呪い傷付けた代償なのか。
「でも、だからって呪うのは間違ってるわよね。そういう人生選択したのは自分なのに。未練たらたらで化けて出て迷惑かけるくらいなら初めっから好きなことして生きればいいのよ。面倒臭いわね」
「確かに。夢に破れて自暴自棄になる気持ちも分かるよ。あたしだって、バレーのプロ目指してたけど怪我で諦めたもん。だから言わせてもらうけど、腐らずに少しでも好きなことしてれば、絶対こんなことにならなかったんだよ」
 強い口調で突き放すように言い放った真奈美に京香が便乗した。あら初耳そうなの? と真奈美が聞き返すと京香が何故か胸を張った。
 正論だとは思うが、ついさっきまで怯えていた姿を見ている大河たちからしてみれば強がっているようにしか見えないため、つい苦笑が漏れる。それとも彼女たちは今、葉山佐智子を否定することで踏ん張っているのだろうか。大切な後輩を勇気づけるために、彼女たちなりの方法で。
 不意に真奈美が大河たちを見上げた。
「つまり、どういうこと?」
 突然の話題の転換についていけず、三人が首を傾げた。
「だから、滅多に起こらないことが何で音羽に起こったのかってこと。その話してたんじゃなかったっけ?」
 ああ、と三人が同時に声を上げた。あまりにも話が逸れ過ぎて主旨を忘れていた。そうだ、つまり音羽が共鳴したのは、
「葉山って人に対して、後ろめたい気持ちがあったから?」
 大河が疑問形で宗史と晴に尋ねた。
「おそらくな。どんな思いであれ、彼女に向いていることに変わりはない。それが共鳴しやすくしたんだろう」
 葉山佐智子に思いを向けている音羽がいたから、ここでは姿を見せるだけだった悪鬼に襲われたのだ、と言わないあたり、宗史なりに気を使っているようだ。
「そっか……」
 亡くなっているとはいえ、自分に何かしらの思いを向けてくれている人と繋がるのは、そう不思議なことではないのかもしれない。
 大河が呟くと、廊下から足音が近付いて来た。警備員だろう。
「立てますか」
 宗史が尋ねると、真奈美と京香が腰を上げ、音羽を支えながら立ち上がった。だが音羽は共鳴の後遺症が消えないのか、一歩がなかなか出なかった。それを見て、晴が動いた。
「音羽ちゃんだっけ、ちょっとごめん、触るな」
「え……っ」
 言うや否や、晴は音羽の背中と膝の裏に腕を回してひょいと抱え上げた。とたん、
「きゃ――――っ!」
 真奈美と京香が同時に黄色い悲鳴を上げた。大河と宗史が弾かれたように仰け反った。
「いいなぁ音羽!」
「女子なら誰でも憧れるお姫様抱っこ! 羨ましいっ!」
「何言ってんの!? 真奈美は婚約者いるじゃん!」
「それとこれとは別よ。いいなぁ」
「なんなら後で二人もしてやろうか?」
 にっこりと笑う晴に、また二人から悲鳴が上がった。音羽は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして俯いている。
 今の今までシリアスな空気が流れていたのに、この変わり身の早さはなんだ。女ってすごい。そんなことを思いつつ、大河はちらりと宗史に視線を投げた。
「……晴さんって……」
「昔からだ。あんな男にはなるなよ、大河。面倒事に巻き込まれる可能性大だ」
 昼間垣間見た自分の浮気性疑惑が脳裏を掠ったが、今は置いておくことにする。
「何かあったの?」
「……色々な……」
 遠い目をしてふいと逸らした宗史に、大河はそれ以上突っ込むのをやめた。聞いてはいけない気がする。
 見た目はチャラそうだけど実際どうなんだろうモテそうだけど、と思っていた矢先に、エレベーターで女には困ってない発言をされた上に、これだ。見た目通りやっぱりチャラかった。と言うか、この展開は晴や宗史のようなイケメンだから成せる技であって間違っても自分もイケるかもなどとは思ってはいけないのだ、と大河は自分に言い聞かせ一人頷いた。
 大河と宗史が白けた視線を向ける中、扉から警備員がまた恐々と顔を覗かせた。今の悲鳴のせいだろう、少々腰が引けている。
「あの、タクシー来てるけど……」
 部屋の中をきょろきょろと挙動不審に見渡して言った。
「じゃあ帰るか。お姉さんたち荷物は?」
「あっ、いけない。放り出してたわ」
 そう言って、真奈美と京香は襲われていた壁際の辺りに散らばっていた荷物を拾いに行った。三人分の鞄を手に戻った二人を、扉を開けて待っていた大河と宗史が送り出し、ぴったりと閉めた。
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