筆写と演奏

エピソード文字数 281文字

 琴線に触れた文章を書き写していると
 その言葉を綴っただれかの
 やむにやまれない魂が降りてきて
 自分の身体を走り抜けるような
 細胞の隅々まで理解を得るような
 そんな感覚がときたま訪れる
 書物は筆写するしかなかった時代は
 この喜びはいかばかり深かったことだろう
 写経というのはやったことがないが
 聖書をところどころ書き写したことはある
 文語の躍動するリズムが心地よかった
 楽器を演奏する能力はないけれど
 書き写すことは
 演奏に似ているのかもしれない
 バッハを演奏するように
 聖書を書き写したなんて口走ると
 鼻で笑われるだけだろうけど
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