秋の楽器

エピソード文字数 189文字

 秋に侵されたわたしの身体が
 空洞になって風がこもる
 ファゴットみたいな音を立てる
 季節に侵されたわたしの身体は
 どうしようもないほどに秋の楽器
 かすれた音色で古楽に奉仕する
 わたしを通り抜ける初秋の室内楽
 わたしが期待する晩秋のレクイエム
 わたしに想像される憂愁の単旋律
 指揮者はいない
 聴衆もいない
 楽譜をめくる神だけに捧げる
 言葉と沈黙と感情の音楽
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