浮遊霊

文字数 170文字

 幽霊は見たことがないけれど
 浮浪者は見たことがある
 無視を日常として背負う
 街路樹と等号で結ばれた彼ら
 風景のシステムに組み込まれた生命体
 幽霊になりたかった少年は
 夢を軌道修正して浮浪者を目指した
 そうして望みは叶い
 雪に震えながら死んだ
 幽霊になる夢も叶った
 なんて幸福な一生だろうと
 浮遊霊は回想しながら笑った
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