水面から遠い街
文字数 270文字
郊外から電車に乗って
人のざわめく都会まで赴く
雑沓
複雑なルールで統制されているスクランブル交差点
魚群のように行進する影たち
通りすぎる人々の顔
数秒後には忘れてしまう他人
数秒後には忘れられてしまう自分
ここには人が大勢いるのに
だれもぼくとは関係がない
いい気分だ
まるで水底の廃虚を歩くような
ターコイズブルーの寂寥
歩行者がぽこぽこと泡の声をこぼす
街頭ビジョンが薄青く染まる
海草の陰で猫が溺れる
水面が遠い
ビルの谷間から見える水面
その向こう側から透けている光は
水の苦手な神の怯え
人のざわめく都会まで赴く
雑沓
複雑なルールで統制されているスクランブル交差点
魚群のように行進する影たち
通りすぎる人々の顔
数秒後には忘れてしまう他人
数秒後には忘れられてしまう自分
ここには人が大勢いるのに
だれもぼくとは関係がない
いい気分だ
まるで水底の廃虚を歩くような
ターコイズブルーの寂寥
歩行者がぽこぽこと泡の声をこぼす
街頭ビジョンが薄青く染まる
海草の陰で猫が溺れる
水面が遠い
ビルの谷間から見える水面
その向こう側から透けている光は
水の苦手な神の怯え