詩を読む歓び
文字数 456文字
全詩集とは
全歌集とは
なんと贅沢な書物だろう
ひとりの人間が生涯に集め得た
言葉のかけらの最上の成果
魂の震えを刻み込んだ結晶
ページをめくれば
詩人の鼓動が遍 く波打つ
失敗した試みは数あれど
埋め草はどこにも見当たらない
散文とは違って
詩には義務への従属がないから
なりふり構わず言葉を遊ばせ
全身全霊で失敗する
失敗した詩に言い訳はきかない
この世でもっとも恥ずかしい文字列
しかし恥をおそれて詩は書けない
恥を忘れても詩は書けない
魂のこもった恥辱は美しい
恥を突き破った言葉は美しい
敬愛する詩人の分厚い全詩集を
繙 くときの歓 びは
春の昼寝の布団の柔 さ
連休初日の珈琲の香り
海辺に浸した足の感触
月の光の淡い温もり
詩は言葉の花だから
そこには薬も毒もある
詩は魂の玩具 だから
そこには遊びの至福がある
詩人よ遊べ
舞い狂え
花を散らして歌い死ね
詩のあるところ
言葉は笑う
全歌集とは
なんと贅沢な書物だろう
ひとりの人間が生涯に集め得た
言葉のかけらの最上の成果
魂の震えを刻み込んだ結晶
ページをめくれば
詩人の鼓動が
失敗した試みは数あれど
埋め草はどこにも見当たらない
散文とは違って
詩には義務への従属がないから
なりふり構わず言葉を遊ばせ
全身全霊で失敗する
失敗した詩に言い訳はきかない
この世でもっとも恥ずかしい文字列
しかし恥をおそれて詩は書けない
恥を忘れても詩は書けない
魂のこもった恥辱は美しい
恥を突き破った言葉は美しい
敬愛する詩人の分厚い全詩集を
春の昼寝の布団の
連休初日の珈琲の香り
海辺に浸した足の感触
月の光の淡い温もり
詩は言葉の花だから
そこには薬も毒もある
詩は魂の
そこには遊びの至福がある
詩人よ遊べ
舞い狂え
花を散らして歌い死ね
詩のあるところ
言葉は笑う