夕闇に

エピソード文字数 217文字

 夕闇が
 背中を撫でてくる
 脊髄を伝う
 指先の艶かしい感触
 どうしたことか
 黄昏に包まれた並木道は
 わたしの孤独のために造られたかのようだ
 人影も人声もぱったりと途絶えて
 遠くから
 サイレンの音が聞こえる
 夕闇が
 足下から這い上ってくる
 腿を触り
 腰をまさぐり
 胸をかすめて
 わたしのほほをつつく
 夕闇の指先の爪の感触
 遠くから
 サイレンの音が聞こえる
 夕闇の愛撫には
 仄暗い殺意がこもっている
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