手話詩をみて

エピソード文字数 246文字

 詩が手話によって
 伝えられるのを初めて見た
 難解としか思えない現代詩が
 とても雄弁な身ぶりを引き出して
 空気を震わせていた

 盲目の詩人といえば
 ホメロスやミルトンが高名だが
 聾者(ろうしゃ)の詩人のことは
 寡聞(かぶん)にして知らなかった
 音のない世界
 静寂の海原(うなばら)に響きわたる
 音のない言葉の音楽

 難解な詩を立て続けにまくし立てた詩人が
 最後にひとつだけと
 ついでのように手短(てみじか)
 透きとおった恋のうたを
 はにかんだ身ぶりで朗読した
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