地球儀男
文字数 264文字
頭の代わりに地球儀をのせて
繁華な大通りを練り歩く
顔面によるグローバリズムの体現
歩行者がなぜだかおそれおののいて道を空ける
散歩中の犬が狂ったように吠えてくる
おどけるように地球儀を全速で自転させると
犬はくうくう鳴きながら後ずさった
通りの向こうから恋人がやってくる
笑顔をユーラシア大陸で表現しながらかけよると
恋人は悲鳴をあげて逃げ惑った
みんなはなぜ
自らの住まう惑星をこんなにおそれるのか
地球儀の頭を抱えながら
ぼくは哀しみに青ざめていた
哀しみは太平洋と大西洋とインド洋の色だった
繁華な大通りを練り歩く
顔面によるグローバリズムの体現
歩行者がなぜだかおそれおののいて道を空ける
散歩中の犬が狂ったように吠えてくる
おどけるように地球儀を全速で自転させると
犬はくうくう鳴きながら後ずさった
通りの向こうから恋人がやってくる
笑顔をユーラシア大陸で表現しながらかけよると
恋人は悲鳴をあげて逃げ惑った
みんなはなぜ
自らの住まう惑星をこんなにおそれるのか
地球儀の頭を抱えながら
ぼくは哀しみに青ざめていた
哀しみは太平洋と大西洋とインド洋の色だった