冬空のようなぼくのネガティブ

エピソード文字数 391文字

 十二のときの痛手からこっち
 自分が嫌いでしかたないので
 それからはもう
 自分を貶め隔離するような裏路地しか
 ぼくは歩けなくなってしまった

 だれかが自分を褒めてくれる
 その好意を
 ぼくは疑い身をかわし
 こころのなかで虐めつくす
 相手はよかれと思って言ったことが
 何故かしら当人を苦しめていると察して
 戸惑いながら離れていく

 意識によって自滅していく人々を
 ぼくは慕わしく理解できる
 でもネガティブな人間は
 どんなに不幸な人間を前にしても
 自分こそがこの世でもっとも暗い魂の持ち主だと
 不可解な自負を抱いている
 暗い人間は他人の暗さを理解できるけど
 救い方はまるっきりわからないし
 気まぐれな献身に身をやつしても
 好きな人ひとり救えない

 暗さと暗さをからめあって
 もつれにもつれた糸を眺めて
 ぼくはひとりで笑ってた
 死人みたいに
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