生きているうちに書く告別の詩

文字数 401文字

 詩が途切れたとしても
 死んだとは限らないけど
 そういう可能性もある
 詩を読んでくれてありがとう
 さようなら
 生きているうちに
 もう書いておこう
 生きているうちは詩を書くだろうけど
 いつまでかなんてわからないから
 もう書いておこう
 ありがとう
 さようなら
 別れの挨拶はいつも
 この二言しか思い浮かばない
 いまのうちに
 何度も言っておこう
 ありがとう
 さようなら
 とはいえ今日はまだ生き残りそうだ
 たぶん
 おそらく
 根拠なく
 だから今夜も
 性懲りもなく詩は書くだろうけど
 いつ途切れるかなんてわからないから
 いまのうちに
 何度も言っておこう
 ありがとう
 さようなら
 そう言いたかったのに
 いつも言えずに別れてきたから
 過去の言いそびれた告別も
 花束のように一緒くたにまとめて
 いまのうちに
 何度も言っておこう
 ありがとう
 さようなら
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