ぼくの罪
文字数 509文字
十二の時分に起きたこと
破滅の種はすでに自らの手で蒔 かれていた
当然の罰がやってきただけだ
罪は回帰するものなのだと
その教訓と引き換えに
生きる術 を喪 った
明るく人懐っこい童 が一人
この世からいなくなっただけのこと
影として残された子どもはもう
光を理解できなくなった
境界を越えてからの歳月は
風が降りそそぐガラス片のように
呼吸が内向きの毒矢のように
他人が茨 の廻廊のように
こころを血まみれに苛んだ
十二の破滅を憎もうとしても
その罪は
その悪は
まぎれもなく自分のものだった
この世を善悪で分けるなら
自分は善の側にいる
そんな思い上がった自尊心を
粉々に打ち砕かれた
完膚なきまでに世界に敗北した
それならばいっそ
殺してほしかった
そんなに悪い存在なら殺してほしかった
そんなに醜い存在なら殺してほしかった
でもだれも殺してくれなかった
砕かれたこころを拾ってくれなかった
だから自分で葬ったんだ
だから自分で廃棄したんだ
これで満足だろ
もっとも幸福だったぼくの
もっとも穢れた罪の数々よ
破滅の種はすでに自らの手で
当然の罰がやってきただけだ
罪は回帰するものなのだと
その教訓と引き換えに
生きる
明るく人懐っこい
この世からいなくなっただけのこと
影として残された子どもはもう
光を理解できなくなった
境界を越えてからの歳月は
風が降りそそぐガラス片のように
呼吸が内向きの毒矢のように
他人が
こころを血まみれに苛んだ
十二の破滅を憎もうとしても
その罪は
その悪は
まぎれもなく自分のものだった
この世を善悪で分けるなら
自分は善の側にいる
そんな思い上がった自尊心を
粉々に打ち砕かれた
完膚なきまでに世界に敗北した
それならばいっそ
殺してほしかった
そんなに悪い存在なら殺してほしかった
そんなに醜い存在なら殺してほしかった
でもだれも殺してくれなかった
砕かれたこころを拾ってくれなかった
だから自分で葬ったんだ
だから自分で廃棄したんだ
これで満足だろ
もっとも幸福だったぼくの
もっとも穢れた罪の数々よ