死ぬべきかどうか

エピソード文字数 365文字

 十二の頃に死ねたなら
 ぼくは満足して死ねたと思う
 未来がないのは残念だが
 悔いもなく幸福な人生だったと

 十七の頃に死んだなら
 なぜもっと早く死なせてくれなかったのかと
 怒り狂いながら
 人生を呪いながら死んだだろう

 いまのぼくが死んだとしたら
 どんな想いを抱くのか
 それはなぜだか見当もつかない
 感情はすり減って
 夢も希望も削れたけれど
 あの頃は知るよしもなかっただれかの顔が
 きっと眼前に浮かんでしまう
 それはたまらなく哀しいことだけど
 知らなかった方がよかったとは
 どうしてもいいきれない
 十二の頃に死ぬべきだったと
 なんど考えたかわからないのに
 あの人を想い出すと
 自信が揺らいで不安になる

 いまのぼくは
 とても死にたいけれど
 死ぬべきかどうかはわからなくなってしまった
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