美しい詩、醜い詩
文字数 242文字
自然を詠んだ
とても美しい詩を書いた詩人が
戦時中に書いた
とても醜い詩
読むと愕然としてしまう
風雅をよそおった言葉遣いで
殺せ
とはっきり告げている
聖なる国
と恥知らずに告げている
戦前、戦後に書かれた詩にさえ
疑いの眼を向けざるをえない
虐殺の行われた収容所では
スピーカーから
とても美しい音楽が流れていたという
暴力
美の皮をかぶった暴力
殺戮
詩の皮をかぶった殺戮
平和な世界にあふれる美しさ
時が変われば
また醜くなるのか
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