嫌悪の海
文字数 275文字
わたしが嫌いなもの
まずはわたし
次にすべて
自己紹介終わり
わたしが嫌いなものの細部
たとえば猫よけのペットボトル
そこに入れられたままの汚水
たとえば十年以上貼られたポスター
剥がすと露になってしまう壁の汚れ
たとえば人を罵る土足の言葉
たとえば少しも使わなかった色鉛筆をへし折る蛮行
たとえば桃の汁をべとつかせた指で人の純心に触る無神経さ
たとえばゴルフボール大の虚無を道ばたにぶちまけながら進んでいくパレード
たとえば群青の薄明かりを火星人の侵攻と間違えたパラノイア気味の老婆
たとえばわたし
自己紹介終わり
まずはわたし
次にすべて
自己紹介終わり
わたしが嫌いなものの細部
たとえば猫よけのペットボトル
そこに入れられたままの汚水
たとえば十年以上貼られたポスター
剥がすと露になってしまう壁の汚れ
たとえば人を罵る土足の言葉
たとえば少しも使わなかった色鉛筆をへし折る蛮行
たとえば桃の汁をべとつかせた指で人の純心に触る無神経さ
たとえばゴルフボール大の虚無を道ばたにぶちまけながら進んでいくパレード
たとえば群青の薄明かりを火星人の侵攻と間違えたパラノイア気味の老婆
たとえばわたし
自己紹介終わり