ハムレットの愛読書

文字数 180文字

 言葉、言葉、言葉
 そう吐き捨てたハムレットは
 実際のところ
 なにを読んでいたのだろう

 憂鬱な面差しをうつむけて
 文字を眼でたどりながら
 胡桃の中の世界で
 どんな夢を育んでいたのだろう

 彼の指先が支える
 書物の背
 彼の唇がつぶやく
 至純の詩

 劇の中の劇を
 ハムレットは見ることになる
 本の中の本を
 わたしたちは読むことになる
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