石を擲て

文字数 182文字

 なんぢらの(うち)、罪なき者まづ石を(なげう)
 それは神の子だから言えた言葉であって
 罪ある人間は口に出せない
 自己弁護が混じるから
 石を擲つのが正当な場合もある
 そう言われて
 反論できるだろうか
 石を擲つ手を止められるだろうか
 罪人(つみびと)を招くために来たという神の子は
 だれであっても庇うのだろうか
 それが知りたい
 自分が石を擲つ前に
 自分が石を擲たれる前に
 それだけが知りたい
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み